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三菱地所、自動運転車を視野に非接触・チケットレスに対応した駐車場管理システムを構築

DIGITAL X 編集部
2021年9月3日

三菱地所と三菱地所パークス、三菱地所リアルエステートの3社は、非接触かつチケットレスで利用できる駐車場管理のクラウドシステムを構築した。自動運転車やコネクテッドカーの受け入れを視野に入れているという。まずは神奈川県横須賀市でモニター運用を開始し、2022年4月の本格運用を目指す。2021年8月25日に発表した。

 三菱地所と三菱地所パークス、三菱地所リアルエステートの3社が開発した「CREPE」は、スマートフォン用アプリケーションやQRコード、画像認識といった技術を活用した駐車場管理システム(図1)。駐車券やサービス券などを電子化し省資源化を図るほか、将来の自動運転車などを含め、駐車場の予約から入庫、精算・出庫までを非接触で処理する。

図1:駐車場管理クラウドシステム「CREPE」の利用方法と外部連携のイメージ

 CREPEは複数の駐車場を一体で管理できる。エリア内での駐車場の稼働率を平準化したり、稼働率を高めるために駐車データの分析によるダイナミックプライシングに取り組んだりも可能になる。精算機の形式などの諸条件はあるものの、既存の駐車場システムとの接続や、他の駐車場管理事業者の利用も可能だという。

 これらの仕組みは、ユーザーIDと車両ID、店舗利用データ、および自動精算機やカメラ、ゲートなどの場内管制機器を連携させて実現する。

 ユーザーの利用方法は以下のイメージだ。ユーザーは事前にスマホアプリを使って車両の自動車登録番号やクレジットカード情報などを入力しておく。駐車料金の割引などで提携している店舗を利用した際は、アプリのQRコードを提示し割引情報を受け取る。

 駐車場への入庫時は、カメラが車両のナンバープレートを認証することで非接触での入庫が可能になる。出庫時も同様に、カメラがナンバープレートを認証することで精算済みかどうかを確認する。

 出庫時の精算は、アプリ上のキャッシュレス精算ボタンを押すか、QRコードを事前精算機のリーダーにかざすことで処理させる。その際、アプリに取り込んだ割引情報があれば、割り引いた料金で精算される。

 CREPEはまず、神奈川県横須賀市にある駐車場「サイカヤパーキング」でモニター運用を開始する。モニターで得られた意見を含め、システムや使い勝手における課題を検証し、システムを改修した後に、三菱地所パークスが管理・運営する駐車場に順次導入していく。2022年4月の本格運用が目標だ。

 加えて、三菱地所DX推進部が推進するMaaS(MobilityasaService)分野の取り組みの一環として、東京・丸の内エリアなどで手掛ける、まちづくりにも活用する計画だ。

 なおCREPEの運用では、外部システムとの連携を視野に入れる。ETCカードによる車両識別・料金支払いや、他社が運営するポイントシステムや駐車場満空情報配信サービスなどとの連携を挙げている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名三菱地所
業種サービス
地域東京都千代田区(本社)
課題駐車場利用者の利便性を高めるとともに、自動運転やコネクテッドカーにも対応可能な駐車場を提供したい
解決の仕組みスマートフォン用アプリケーションやQRコード、画像認識といった技術を活用した駐車場管理システムを開発する。既存の駐車場管理システムや関連システムとの連携を可能にする
推進母体/体制三菱地所、三菱地所パークス、三菱地所リアルエステート
活用しているデータ駐車場利用者のID、車両ID、連携する店舗の利用データ、ナンバプレート画像など
採用している製品/サービス/技術スマホアプリ、QRコード、画像認識など
稼働時期2022年4月(本格運用の目標時期)