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「白い恋人」の石屋製菓、製造ラインでのヒトとモノの可視化に向け3Dシミュレーションソフトを導入

DIGITAL X 編集部
2021年9月8日
写真1:石屋製菓の北広島工場における「白い恋人」の生産現場の様子

洋菓子「白い恋人」などを製造・販売する石屋製菓(札幌市)は、製造現場におけるヒトとモノの流れを可視化するために、製造ラインに3D(3次元)シミュレーションソフトウェアを導入した。新規設備投資のシミュレーションやスタッフの検品作業の教育ツールに利用し生産効率を高める。ソフトウェアを提供するゼネテックが2021年8月31日に発表した。

 札幌市に本社を置く石屋製菓は、洋菓子「白い恋人」などを製造・販売する菓子メーカー。「白い恋人」を生産する北広島工場において、各製造ラインやヒトの動線を可視化し、最適な動きと現状の動きを比較するために3D(3次元)シミュレーションソフトウェアを導入し利用し始めた。

 ソフトウェアは、倉庫の新規設備投資のシミュレーションと、「白い恋人」の検品工程に利用している。設備投資に関しては、商品を整列させパレットに積み込むための装置である「パレタイザー」を対象に、最適な導入台数やスペックを事前に算出する。

 「白い恋人」の検品工程では、原価計算に利用する。並行して、検品担当者に最適な動き方を共有するための現場教育ツールとしての利用も開始した。目標生産個数から必要な生産効率を割り出し、そこから最適な動き方に落とし込んでいる。

 将来的には量産品に加え、手作りによる少量多品種生産の商品などを含めたる400品目すべての商品の生産業務にシミュレーションソフトを活用し生産効率を高めたい考えだ。

 石屋製菓は全工場で、食品安全マネジメントシステムの国際規格「FSSC 22000」の認証を取得している。一方で製造現場では、人材の多様化・流動化が進み、熟練者と他のスタッフの間に業務品質や生産性の差が生じており、それを小さくするための業務の平準化が課題になっている。

 3Dシミュレーションソフトには、「FlexSim」(ゼネテック製)を採用した。同ソフトでは、ヒトやモノが動く現場の可視化・最適化に向けた事前検証がドラッグ&ドロップで実施できるという。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名石屋製菓
業種製造
地域札幌市(本社)
課題製造現場において人材の多様化・流動化が進み、熟練者と他のスタッフの間に業務品質や生産性の差が生じるようになった
解決の仕組み3Dシミュレーションソフトウェアを導入し、設備投資の最適化や、検品作業における最適な動き方を可視化し生産効率を高める
推進母体/体制石屋製菓、ゼネテック
活用しているデータ製造ラインにおける生産個数やヒトの動線などの情報
採用している製品/サービス/技術3Dシミュレーションソフトウェア「FlexSim」(ゼネテック製)
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