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クオール薬局、データ分析結果のリアルタイムな共有に向けBIツールを活用

池田 真也(DIGITAL X 編集部)
2021年9月17日

「クオール薬局」など保険薬局を運営するクオールホールディングスが、「薬局DX」を掲げ、データ活用に取り組んでいる。2020年春に導入を決めたBI(Business Intelligence)ツールを使ったデータ集計や共有のほか、処方箋データなどに基づく売り上げ予測にも取り組んでいる。BIツールを提供するドーモが2021年9月9日に発表した。

 クオールホールディングス(HD)は、クオール薬局をはじめとする保険薬局を運営する企業。「薬局DX(デジタルトランスフォーメーション)」を掲げ、各種データの分析や結果の共有に取り組んでいる。

 データ活用の一環として、2020年春にはBI(Business Intelligence)ツールの導入も決めた。売り上げ関連のレポート作成などの工数を削減し、より生産的な作業に集中するのが目的だ。

 クオールHDのDX・AI推進室統括主任である成田 剛 氏は、「DX推進には情報共有が大切だ。モバイルなどに対応したBIツールにより、移動の多いエリアマネージャーともリアルタイムなデータ共有が可能になった。出社前に業績の状況を把握し、出社直後からより生産的な作業に着手できるようになっている」と話す。

 従来は、店舗の売り上げデータなどは手作業で収集・集計し、表計算ソフトウェア「スプレッドシート」(米Google製)を使ってレポートを毎月数回、作成していた。加えて、店舗の損益情報は、前月の数字が確定してから作成していたため、タイムリーな情報に基づく施策を実行できないことが課題だった。

 BIツール導入後は、現状分析だけでなく、データの自動集計による売上予測にも取り組んでいる。800以上ある調剤薬局が保有する処方箋・調剤内容は年間1300万枚に及び、薬品データも5000万件を数える。処方箋などのデータは個人情報をマスキングしてクラウド上で管理し、分析に利用している。

 クオールHDが導入したBIツールは、クラウドサービスの「Domo」(ドーモ製)。以前に導入していたBIツールよりも、データの収集や加工処理の自動化が容易で、レポートの作成工数を削減できたとしている。どのようにデータを処理したのかが把握しやすいため運用担当者の工数も削減したという。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名クオールホールディングス
業種流通・小売り
地域東京都港区(本社)
課題店舗ごとの売り上げデータの収集・集計とレポート作成の業務効率化を図り、生産性を高めたい
解決の仕組みBIツールを導入しデータの収集・集計とレポートの作成を容易にするとともに、情報をタイムリーに共有できるようにする
推進母体/体制クオールホールディングス、ドーモ
活用しているデータ売り上げデータ、薬品データ、個人情報をマスキングした処方箋・調剤の内容など
採用している製品/サービス/技術BIツール「Domo」(ドーモ製)
稼働時期2020年春(BIツールの導入決定時期)