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フジテック、エレベーターの仕様を決定するためのVRシステムを導入

池田 真也(DIGITAL X 編集部)
2021年9月17日

エレベーター/エスカレータを製造・販売するフジテックは、顧客がエレベーターの仕様を検討・決定するための支援策としてVR(Virtual Reality:仮想現実)システムを導入した。完成後のイメージを疑似体験してもらうことで、設計・計画の品質向上を図る。販促にも利用する。2021年9月9日に発表した。

 フジテックが導入したのは、エレベーターの完成イメージを疑似体験するためのVR(Virtual Reality:仮想現実)システム。ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着した顧客は、エレベーターに搭乗した感覚でデザインを比較したり仕上がりを確認したりが可能になる(図1)。顧客の仕様検討を容易にするとともに、製品の設計・計画の品質向上を図りたい考え。

写真1:フジテックが導入したVRシステムによるエレベーター体験のイメージ

 エレベーターは設置するビルなどに合わせた個別受注生産品である。VRシステムを使って顧客にエレベーターの完成イメージを掲示することで、受注から製造までの業務品質を高められると期待する。VRシステム上で顧客が操作・体験した情報は基幹システムと連携し、見積書作成や製造指示などのデータとして活用する。

 VRシステムには、同社の標準型エレベーター「エクシオール」のためのデザインシミュレーターを搭載している。約530点の色やパーツの組み合わせから完成イメージを再現する。非接触式のボタンやドアセンサーといった機能も体験できるという。デザインシミュレーター自体は同社公式サイトで2021年4月26日から提供している。

 VRシステムは今後、東京都と滋賀県に置くショールーム「クリエイティブスタジオ」や、大阪府にある近畿圏の中核拠点「ビッグフィット」のほか、全国の支店など計16拠点に順次導入し顧客が体験できるようにしていく。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名フジテック
業種製造
地域滋賀県彦根市(本社)
課題エレベーターの販促活動および設計・計画の業務品質を高めたい
解決の仕組みエレベーターの完成イメージを顧客が体験できるVRシステムを導入し、仕様の決定を容易にする
推進母体/体制フジテック
活用しているデータエレベーターの設計・仕様データなど
採用している製品/サービス/技術標準型エレベーター「エクシオール」のデザインシミュレーター(フジテック製)
稼働時期2021年9月9日(システム導入の発表日)