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関西電力、火力発電設備の異常検知システムをアズビルと共同開発

DIGITAL X 編集部
2021年9月28日

関西電力は、主に火力発電所を対象に、発電設備の異常をAI(人工知能)技術を使って検知するシステムを、計測・制御機器メーカーのアズビルと共同で開発する。両者のノウハウやシステムなどを集約することで実現し2022年度中の外販を目指す。2021年9月15日に発表した。

 関西電力がアズビルと共同開発するのは、火力発電所を主な対象にした発電設備の異常検知システム。自身が持つ火力発電に関するO&M(発電所の運転・維持管理業務)や大量の運転データおよび異常検知ツールの運用ノウハウに、アズビルの異常予兆検知システム「BiG EYES」およびAI(人工知能)システムの開発・運用に関するノウハウを集約し実現する。

 開発するシステムでは、従来は労力の問題から監視対象に含められなかった設備や異常事象までを監視対象にするほか、運転管理・設備管理のレベルを高めることで、電力のさらなる安定供給を支えるのが目的だ。

 両者によれば、火力発電所では監視対象になる設備が多種なうえ、発電出力や運転環境の変動により運転状態が常に変化する。そのため、過去の運転挙動が再現されることが少なく、同一の不具合事象が再発することが稀だ。結果、設備を広範囲に監視する必要がある。

 広範な設備監視にAI技術を適用するためには、火力発電所とAI技術の双方に関する専門的な知見を持つ要員が、AIモデルの構築と運用時のモデルの維持・管理に携わらなければならない。だが、そうした要員の確保とAIモデルの構築・維持・管理のための労力が課題になっている。

 両者は、新システムの開発を2021年度中を目標に完了させ、2022年度から商用システムとして外販する予定である。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名関西電力
業種公共
地域大阪市(本社)
課題火力発電所など発電設備の安定稼働に向けては設備を広範囲に監視しなければならない。AI技術を適用しようとすれば、火力発電とAI技術の双方に長けた要因が、モデルの開発から運用・維持にまで携わる必要がある
解決の仕組み関電自身が持つ火力発電などに関するノウハウと、計測・制御機器メーカーのアズビルが持つAIシステム関連ノウハウを集約する
推進母体/体制関西電力、アズビル
活用しているデータ発電設備の稼働状況を示すデータなど
採用している製品/サービス/技術火力発電など発電設備の運転・維持・管理および大量の運転データ/異常検知ツールの運用ノウハウ(関西電力)、異常予兆検知システム「BiG EYES」(アズビル製)、AIシステムの開発・運用に関するノウハウ(アズビル)
稼働時期2021年度中(開発するシステムの完成目標時期。2022年度からの外販を予定)