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大和ハウスら5社、物流施設でのAI搭載フォークリフトの活用などを実証実験

DIGITAL X 編集部
2021年9月29日

大和ハウス工業は、物流施設おけるトラックへ積卸し業務を、AI(人工知能)システムを搭載した自動運転フォークリフトを使って自動化する実証事業をイオングローバルSCM、花王、日立物流、豊田自動織機と共同で2021年9月17日に開始した。事業者間のデータ連携やトラックの運行との連携にも取り組み、荷役と物流の効率化を図る。同日に発表した。

 大和ハウス工業が、イオングローバルSCM、花王、日立物流、豊田自動織機と共同で取り組むのは、サプライチェーンの結節点であるトラックへの積卸しを自動化するための実証事業。AI(人工知能)システムを搭載した自動運転フォークリフトの実用化を目指すとともに、荷主間の計画的・効率的なトラック運行を実現することでサプライチェーン全体の効率化・省エネ化を図るのが目的だ(写真1)。

写真1:AIシステムを搭載する自動運転フォークリフト

 実証のポイントは、(1)自動運転フォークリフトを用いた物流施設の入荷と出荷の自動化、(2)事業者間のデータ連携によるサプライチェーン全体の効率化、(3)発着荷主間でのトラックの待ち時間短縮による効率化、エネルギー削減の3つである(図1)。

図1:大和ハウス工業らが取り組む実証事業の概要

 これらの実証を、2021年度から2023年度にかけて実施する。2021年度は、事業の核となるトラックの積卸しの自動化技術の確立と、事業者間のデータ連携を可能にする事業者間共通システムの開発を目指す。

 2022年度には、事業者間共通システムとの連携および積卸しにおける「スワップボディコンテナ(車体と荷台が分離でき、分離中に荷役作業が行える車両)」の有効活用と、自動運転フォークリフトの前後の工程に「バレタイジングロボット(荷積みや荷卸しの作業を行うロボット)」を組み合わせ自動化の範囲を広げる。

 2023年度には、自動運転フォークリフトを活用した効率化・省エネ技術の普及に向けた実証と検討を進める計画だ。

 大和ハウスによれば、物流業界ではトラックやフォークリフトの運転者などの労働力不足が課題になっており、物流施設内の省人化と発着荷主間の連携による輸送の効率化が求められている。物流施設間の輸配送においては、入出荷のタイミングにトラック運行を連携させ待機時間を削減するなど、さらなる効率化が求められている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名大和ハウス工業
業種製造
地域大阪市(本社)
課題物流施設内の省人化と輸送の効率化を図りたい
解決の仕組みAI搭載の自動運転フォークリフトを使って物流施設での入出荷作業を自動化するとともに、事業者間のデータ連携によりトラックの待ち時間を短縮するなどサプライチェーン全体の効率化を図る
推進母体/体制大和ハウス工業、イオングローバルSCM、花王、日立物流、豊田自動織機
活用しているデータ配送荷物の入出荷に関する情報、トラックの運行計画に関する情報など
採用している製品/サービス/技術AIシステム搭載の自動運転フォークリフト
稼働時期2021年度から2023年度まで(実証事業の期間)