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柏の葉スマートシティ、街中での異常行動の検知や人流分析に向けエッジAIカメラを導入

DIGITAL X 編集部
2021年9月30日

千葉県柏市の柏の葉スマートシティは、安心・安全・快適な暮らしを目指すエリアマネジメントのために、柏の葉キャンパス駅周辺にエッジAIカメラを設置し、人流の分析を開始した。カメラ画像から通行人の異常な行動や立ち入りなどを検知し防犯や見守りに利用する。柏の葉スマートシティを運営する三井不動産とUDCKタウンマネジメントが2021年9月21日に発表した。

 柏の葉スマートシティは、公・民・学が連携しまちづくりを推進しているスマートシティ。2020年末時点で人口が1万人を超えた。ただ、人口が増え街の規模が大きくなるにつれ、駅前の混雑解消や防犯・見守りへの住民ニーズが高まっている。

 そこで2021年9月、屋外公共空間にAI(人工知能)システムを搭載するカメラを設置し、撮影した画像のリアルタイムな分析を開始した。通行人の異常行動や立ち入りの検知、および人流の分析に取り組む(図1)。

図1:AIカメラの設置場所と撮影映像の適用法

 AIカメラは、柏の葉キャンパス駅周辺に25台、調整池の「アクアテラス」に4台を設置する。撮影した映像は、個人を特定できないデータに加工して分析し、プライバシーを侵害するようなデータは取得・保管しない。異常行動などを検知した際も、カメラの位置情報と検知内容をテキストメールで送信し、撮影した画像データは転送しない。

 ただし、人流データを含む街のデータは、データ連携のためのプラットフォーム「Dot to Dot」を利用し、業種・業界を横断する形でのデータ連携は検討する。

 まずは柏の葉駅周辺およびアクアテラス周辺の人流を分析し、イベント企画や、まちづくりに活用する取り組みを開始した。またアクアテラスでは降雨による増水時や夜間の立ち入り禁止帯などの立ち入り検知もはじめている。立ち入りを検知すると、柏の葉キャンパス駅街区を管理する警備員にメールを送信し、現場確認までのロスタイムを削減する。

 2022年4月からは、柏の葉キャンパス駅の西口・東口周辺エリアにおいて、通行人が倒れたり、うずくまったりという異常行動や凶器を検知し、警備員にメールを送る仕組みも実施する予定だ。

図2:倒れやうずくまり時の検知画像

 今回採用したAIカメラ(クリューシステムズ製)は映像分析とデータ変換の機能を持つ。AI画像解析にはニューラルポケットの技術を利用する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名三井不動産
業種製造
地域千葉県柏市(柏の葉スマートシティ)
課題街の住民の増加と規模の拡大に伴い、駅前の混雑や防犯・見守りなどに対する住民のニーズが高まっている
解決の仕組み最寄り駅周辺と調整池にAIシステムを搭載するカメラを設置し、映像分析から異常などを検知し警備員にメールで知らせたり、人流分析からイベント企画やまちづくりを検討したりする
推進母体/体制三井不動産、UDCKタウンマネジメント、クリューシステムズ、ニューラルポケット
活用しているデータAIカメラが撮影した映像
採用している製品/サービス/技術AIカメラ(クリューシステムズ製)、AI画像解析技術(ニューラルポケット製)
稼働時期2021年9月