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JR西日本、バスの自動運転・隊列走行の実証実験をソフトバンクと共同で開始

DIGITAL X 編集部
2021年10月4日
自動運転・隊列走行技術を使ったBRTの社会実装のイメージ

JR西日本(西日本旅客鉄道)は2021年10月から、バス高速システム(BRT:Bus Rapid Transit)における自動運転と隊列走行技術の実証実験をソフトバンクと共同で開始する。滋賀県野洲市に専用のテストコースを設けた。2021年9月27日に発表した。

 JR西日本(西日本旅客鉄道)がソフトバンクと共同で実施するのは、バス高速システム(BRT:Bus Rapid Transit)に自動運転バスや隊列走行できるバスを導入するための実証実験。滋賀県野洲市のJR西日本の敷地内に専用テストコースを設け、連節バス、大型バス、小型バスの3種類の自動運転車両を用い、3種混在での実証を実施する(図1)。

図1:実証実験に使用する3種の自動走行バスのイメージ

 実験で検証するのは、(1)自動運転・隊列走行に関する車両技術、(2)自動運転・隊列走行に適した走行環境や地上設備、(3)乗降場への正着制御や車両の遠隔制御などの運用技術。実験を通して、自動運転・隊列走行BRTの技術確立とシステムの標準パッケージ化を目指し、2020年代半ばをメドに社会実装を進めていく(図2)。

図2:専用テストコースのイメージ

 社会実装に向けては、2021年10月から車両の機能試験を開始。2022年春ごろに3種類の自動運転車両を用いた隊列走行を試験し、2022年夏ごろに乗降場への正着制御や車両の遠隔制御など運用面の試験を実施する。2023年には、専用テストコースでの自動運転・隊列走行に関する技術の確立を目指す(図3)。隊列走行は、先頭車両にはドライバーが同乗し、後続車は無人での運転を想定する。

図3:自動運転・隊列走行ができるBRTの社会実装に向けたスケジュール

 JR.西日本とソフトバンクの両社が自動運転・隊列走行BRTの開発プロジェクトを立ち上げたのは2020年3月のこと。今回、テストコースの走行路が完成したことから実証実験をスタートさせる。

 両社のBRT関連プロジェクトでは、以下の要件を満たす次世代モビリティサービスの実現を目的に挙げている。(1)専用道による安全性・定時性・速達性の実現、(2)専用道の利点を生かした自動運転・隊列走行の早期実現、(3)需要に応じた柔軟な輸送力の確保、(4)他の交通手段と連携した一体的でフラットな(段差の少ない)交通網の実現、(5)運転手の担い手不足の解消、(6)シンプルな設備によるローコストなモビリティサービスの実現である。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名JR西日本(西日本旅客鉄道)
業種交通
地域滋賀県野洲市(実証実験のためのテストコース施設)
課題安全性・定時性・速達性を備える次世代モビリティサービスを提供したい
解決の仕組み自動運転と隊列走行技術を用いたバス高速システム(BRT:Bus Rapid Transit)を開発し、標準パッケージ化を図る
推進母体/体制西日本旅客鉄道、ソフトバンク
活用しているデータ自動運転車両の位置情報など
採用している製品/サービス/技術自動運転/隊列走行技術(ASmobi)、車内監視/統括制御(BOLDLY)、踏切信号制御(日本信号)、車車間通信/路車間通信(ソフトバンク)、走行軌道/地上設備設計(JR西日本)
稼働時期2021年10月(実証実験の開始時期)