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オリックス自動車、レンタカーの体験価値の向上させるコンシェルジュサービスを実用化

DIGITAL X 編集部
2021年10月5日

オリックス自動車は、レンタカーを使う旅行者を対象にしたコンシェルジュサービスを2022年度中に実用化するための検討をNTTデータ、JTBコミュニケーションデザインとともに開始した。同乗者全員が同じタブレット画面の情報を見ながら話し合えるようにする。2021年9月28日に発表した。

 オリックス自動車が222年度中の実用化を目指すのは、レンタカーを使って観光する旅行者などを対象にしたコンシェルジュサービス。助手席や後部座席など車内の複数個所に専用タブレット端末を設置することで、観光スポットやルートなどの提案内容を同乗者全員が共有し互いに話し合えるようにする。車内に一体感を創出するなど移動時の新たなCX(Custmer Experience:顧客体験)の提供を目指す(図1)。

図1:レンタカー車内に複数のタブレット端末を設置する

 提案する観光スポットは、レンタカーの位置情報と利用者の年代・性別・居住地などの属性を組み合わせ、嗜好に合わせて選ぶ。タブレット端末では、利用者が観光プランを作成すると、それに連携してナビゲーションする機能も搭載する。

 実用化に向けてオリックス自動車は、NTTデータ、JTBコミュニケーションデザインとともに2021年2月、東京近郊で同サービスの実証実験を実施した。各社の社員約20人が新サービスのプロトタイプを設置したレンタカーに乗車し、サービスの実現可能性を検証した。

 実験の参加者は、タブレット端末から観光情報などを受動的に受け取れ、同乗者と同じ内容や体験を共有できる点を評価したとする。一方で、提案情報やコンテンツの充実、デザインの工夫などを求める声があり、課題と改善の方向性を検証できたという。

 参加者を対象にしたアンケートでは、レンタカーのオプションとしてコンシェルジュサービスが提供された場合、59%が「利用したい」、35%が「やや利用したい」と回答。レンタル条件が同じ場合に、コンシェルジュサービスを提供するレンタカー事業者を優先的に選ぶとの回答が94%あった。また参加者の94%が利用料について「300~1500円」の範囲内なら同サービスを利用したいとしたという。

 オリックス自動車ら3社は今後、モビリティ事業者など複数の事業者とも連携し、機能追加やビジネスモデル検討に取り組み、2022年度中に観光地でのサービス提供開始を目指す。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名オリックス自動車
業種交通
地域東京都港区(本社)
課題観光時の移動手段として利用されるレンタカーでの顧客体験価値を高めたい
解決の仕組み助手席や後部座席など複数個所に専用タブレット端末を設置し、乗車車全員に観光スポットやルートなどの観光情報を提案し車内に一体感を創出する
推進母体/体制オリックス自動車、NTTデータ、JTBコミュニケーションデザイン
活用しているデータレンタカーの位置情報、利用者の年代・性別・居住地など
採用している製品/サービス/技術専用タブレット端末
稼働時期2021年2月(実証実験の実施時期、2022年度中に商用サービスの開始を目指す)