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高知県、栽培環境データの自営無線網による収集・活用を実証実験

DIGITAL X 編集部
2021年10月6日

高知県は、農作業の栽培環境データを効率よく収集・利用するために自営の無線ネットワークを利用する実証実験をNTTアグリテクノロジーと開始する。データに基づく栽培指導などを目指す「IoP(Internet of Plants)プロジェクト」において実施する。2021年9月29日にNTTアグリテクノジーが発表した。

 高知県は、施設園芸を対象にした営農支援策として、データに基づく栽培指導などを目指す「IoP(Internet of Plants)プロジェクト」を推進している。農業の生産性や所得向上を目的に、栽培環境や、農産物の全県にわたる出荷データを集約・確認できる仕組みを構築してきた。

 今回、栽培環境データの収集に自営無線ネットワークを使い、より安価で効率的な通信方法を実現することで、IoPプロジェクトを加速させたい考えだ(図1)。これまで、各生産者のほ場ごとに通信環境を整備するには、コスト面での課題もあった。

図1:高知県が取り組む、農業への自営無線網活用のイメージ

 実証実験では、高知県安芸市の「JA高知県安芸集出荷場」と、実験に参加する生産者のほ場において、自営無線網を使って、ほ場から集荷場までの通信を集約する。2021年10月から2022年6月末までを予定する。

 通信規格には、層電力広域通信のためのLPWA(Low Power Wide Area)の「IEEE802.11ah」を採用する。作物の画像や映像を送信する必要があるためだ。導入・運用にあたっては、802.11ahの国内利用に向けて活動している802.11ah推進協議会と連携する。

 実験では、高知県は農家や安芸集出荷場との連携推進、および全体プロジェクトの企画・運営、効果検証を担う。NTTアグリテクノロジーは自営無線ネットワークの構築と効果検証を担当する。

 高知県らは今後、実証実験を通じて、自営無線ネットワークを使った農業振興につなげ、県内への普及拡大および全国の自治体の参考になるようなプロジェクトへ展開を目指す。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名高知県
業種公共
地域高知県安芸市(実験対象ほ場)
課題施設園芸を対象にした営農支援策として、ほ場のデータ活用に取り組んでいるが、各生産者のほ場ごとに通信環境を整備するにはコストがかかる
解決の仕組み自治体や企業などが自営で運営する通信網を「IEEE802.11ah」規格を使って構築し、通信環境の整備コストを下げる
推進母体/体制高知県、NTTアグリテクノジー
活用しているデータ施設園芸におけるほ場の環境データなど
採用している製品/サービス/技術LPWAの通信規格「IEEE802.11ah」
稼働時期2021年10月から2022年6月末(実証実験の期間)