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ベトナムの国営保険会社、疾病の発症リスクをAI技術で予測し予防・改善する保険サービスを提供
ベトナム最大手の国営保険会社バオベト・インシュランスが2021年10月1日、疾病の発症・重症化を予防する保険サービスを開始した。発症リスクをAI(人工知能)技術で算出し、改善に受けたアドバイスを提示する。AI技術を提供する日立製作所が同日に発表した。
バオベト・インシュランス(Bao Viet Insurance)はベトナム最大手の国営損害保険会社。100万人以上の医療保険契約者を有している。2021年10月1日、生活習慣病の発症リスクを算出し、健康指導を受けられる保険サービスの提供を開始した。
新サービスは、保険契約者向けアプリケーション「Baoviet Direct」から提供する。健康診断の結果や既往履歴を入力すれば、糖尿病や高血圧など8つの疾病の将来リスクを算出し、各人のリスク傾向を可視化する。
そのうえで、疾病リスクを高める要因になっている項目や改善のためのアドバイスを表示することで、食生活や運動習慣の改善など具体的な行動変容を促し、発症・重症化を予防・改善を支援する。
将来的には、リスク予測をきっかけにバオベトが展開する遠隔診療サービスにつなげるなど、保険申し込みにおけるチャネル拡大と機会創出を期待する。併せて、Baoviet Directが持つ様々な健康データ管理機能を使い、組織・団体単位で健康情報を一元管理し健康経営に向けた支援サービスの実現を目指す。
Baoviet Directにおける疾病リスクの算出には、日立製作所の「Risk Simulator for Insurance」を利用している。健診結果やレセプトなどの医療関連データから生活習慣病による将来の入院リスクを予測するためのAIシステムだ。日本国内では2018年の発売以来、生命保険会社のほか自治体の保健指導などに利用されている。
バオベトらによれば、ベトナムでは近年、急速な経済発展や中間所得層の拡大に伴い、食事や運動などライフスタイルが変化し、生活習慣病の増加が問題になっている。
企業/組織名 | ベトナムのバオベト・インシュランス |
業種 | 金融・保険 |
地域 | ベトナム・ハノイ市(本社) |
課題 | 急速な経済発展や中間所得層の拡大に伴い、食事や運動といったライフスタイルが変化し、生活習慣病が増加している |
解決の仕組み | 健康診断の結果や既往履歴から糖尿病や高血圧など8つの疾病の将来リスクを算出するとともに、食生活や運動習慣の改善などにつながるアドビする提供する |
推進母体/体制 | バオベト・インシュランス、日立製作所、Hitachi Asia |
活用しているデータ | 保険契約者の健康診断の結果、既往履歴などの情報 |
採用している製品/サービス/技術 | 医療ビッグデータ分析ソリューション「Risk Simulator for Insurance」(日立製作所製) |
稼働時期 | 2021年10月1日 |