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ノエビアスタジアム神戸、周辺の混雑解消に向けたスマホアプリをデンソーテンらが実証実験

DIGITAL X 編集部
2021年10月13日

ノエビアスタジアム神戸において、試合終了後の混雑緩和を促すスマートフォン用アプリケーションの実証実験をデンソーテンと神戸大学、楽天モバイルが共同で実施する。人の流れを予測し交通機関の混雑状況などに合わせて、観客に指定エリアでの待機を依頼する。実験に取り組むデンソーテンらが2021年10月6日に発表した。

 ノエビアスタジアム神戸が実施するのは、試合終了時の混雑緩和を目的に、帰宅者が集中する時間と場所を分散するためのスマートフォン用アプリケーションの実証実験(図1)。同スタジアム周辺ではイベント開催時、近辺の駅構内およびスタジアムから駅に向かう道路の混雑が地域の課題になっている。

図1:ノエビアスタジアム神戸が抱える現状の課題と実証実験のスキーム

 最初の実験は10月2日に実施した。今後、10月16日、11月3日、同6日、同27日にも実施する予定だ。

 実験では、スタジアム周辺に人体が発する熱(赤外線)の変化を感知する焦電センサーを設置し、人の流れを予測したうえで、スマホアプリの画面に交通機関の混雑状況(待ち時間)を表示する(図2)。スタジアムの入り口や売店などにもスマホを設置し、スタジアム内の混雑状況をライブ配信する。

図2:専用アプリケーションの画面例

 混雑状況を見て指定エリア内で待機した来場者には、待ち時間に応じたポイントを付与する。待ち時間を楽しめるよう、会場内でのみ視聴できるヴィッセル神戸に関するクイズを出題するゲームを用意する。

 付与したポイントはスタジアム内のグッズ販売店や周辺の提携店舗で使えるクーポンと交換することで、混雑する場所の分散と同時に会場周辺での経済の活性化を後押しできるとみる。

 またタクシーの配車サービスでは、依頼時に乗り場の候補を複数の設定し混雑を避けた配車を提案もする。

 実験は、デンソーテン、神戸大学、楽天モバイルが実施する。デンソーテンがスマホアプリの開発と、人流の計測・混雑状況の予測、来場者への情報提供のためのデータ分析を担当。神戸大学は来場者の行動変容に関するデータ分析および効果的な通知方法を検証する。楽天モバイルは5Gの通信環境を提供する。

 今回の実証実験は、神戸市(ノエビアスタジアム神戸の所有者)が公募した研究活動助成プロジェクト「大学発アーバンイノベーション神戸(令和2年度)」にて採択された5Gネットワークを活用したイベント会場の混雑緩和や遠隔コミュニケーション手法に関する研究開発の一環になる。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名ノエビアスタジアム神戸(神戸市/楽天ヴィッセル神戸)
業種サービス
地域神戸市兵庫区(ノエビアスタジアム神戸)
課題イベント終了後、スタジアム近辺の駅構内およびスタジアムから駅に向かう道路が混雑する
解決の仕組み試合終了後に人の流れを予測した上で、帰宅者が集中する時間と場所を分散するための情報などをスマホアプリを使って提供する
推進母体/体制ノエビアスタジアム神戸(神戸市/楽天ヴィッセル神戸)、デンソーテン、神戸大学、楽天モバイル
活用しているデータ試合終了後の人流情報など
採用している製品/サービス/技術焦電センサーなど
稼働時期2021年10月~2021年11月(実証実験の期間)