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オリックスと東大、再エネの地産地消を会津若松市で実証実験
電力の需給予測モデルをブロックチェーン/AI技術で開発へ
2021年10月21日
オリックスは東京大学大学院工学系研究科と共同で、再生可能エネルギーの地産地消に向けた実証実験を福島県会津若松市で開始する。電力の需給予測モデルや直接取引基盤などの開発を目指す。2021年10月13日に発表した。
オリックスと東京大学大学院工学系研究科が実証するのは、地域内で再生可能エネルギーを流通させる“地産地消”に向けた電力供給の仕組み(図1)。オリックスグループが持つ再エネ発電所や不動産施設の管理・運営や、EV(電気自動車)の運用、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)関連技術技術などと、東大が持つ電力のトラッキングシステムの知見などを組み合わせての実現を目指す。
実験は、オリックスグループが運営する温泉旅館「会津・東山温泉 東鳳」で実施する。同旅館の使用電力量の変化をAI(人工知能)技術で分析し、旅館の稼働率や気象条件による電力需要を予測する。一方で、会津若松市内の太陽光や風力発電施設における発電データなどから供給量を予測し、需要側と供給側での電力の直接取引およびマッチングを検証する(表1)。
組織名 | 役割 |
---|---|
オリックス、東京大学 | ・両者で研究してきたトラッキングシステムの提供 |
・電力の直接取引に向けたP2P型プラットフォームの構築検討 | |
ユビテック | ・AI/データ分析を活用した需給予測モデルの構築 |
・電力直接取引(P2P)のシステムの開発と検証 | |
・外部サービスとの連携 | |
オリックス不動産、オリックス・ホテルマネジメント | ・施設の使用電力量、ホテルの稼働率、EV充電器の使用電力量などデータの提供 |
オリックス自動車 | ・EV車両の提供 |
・法人向けEV関連サービスの検討 |
オリックスと東京大学は2019年から、電力の供給から消費までの履歴をブロックチェーン技術を使って証明するトラッキングシステムの研究を進めてきた。今回の実験では、トラッキングシステムとAI技術を組み合わせ、施設の電力需要と地域内の再エネによる発電量の需給予測モデルを開発する。
複数拠点間で電力を直接取引するP2P(ピアツーピア)型のプラットフォームの構築も検討する。同プラットフォームでは、供給量と需要量を30分間の総量で常に一致させる「同時同量」による産地証明や、分散型ネットワークによる電力の効率的な利用を可能にするとしている。
企業/組織名 | オリックス |
業種 | 金融・保険 |
地域 | 福島県会津若松市(温泉旅館「会津・東山温泉 東鳳」ほか) |
課題 | 再生可能エネルギーの地産地消を可能にする仕組みをつくりたい |
解決の仕組み | 電力の供給から消費までの履歴を証明するトラッキングシステムとAI技術を使って電力需給を予測するモデルを開発するとともに、需要側と供給側が電力の直接取引するプラットフォームを構築する |
推進母体/体制 | オリックス、東京大学大学院工学系研究科、ユビテック、オリックス不動産、オリックス・ホテルマネジメント、オリックス自動車 |
活用しているデータ | 実験を実施する旅館の稼働率および電力消費量、地域の気象データ、風力発電施設における発電データ |
採用している製品/サービス/技術 | ブロックチェーン、AI、IoTの各技術 |
稼働時期 | -- |