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南海電鉄、シニア世代のフレイル予防に向けヘルスケアアプリを実証実験

DIGITAL X 編集部
2021年10月22日

南海電気鉄道は、シニア世代の健康増進を後押しするためのヘルスケアアプリケーションの実証実験を大阪市の泉北ニュータウンで2021年12月から開始する。アプリケーションはITサービス会社のNSDと共同で開発した。2021年10月14日に発表した。

 南海電気鉄道が開発した「へるすまーと泉北」は、シニア世代のフレイル予防と交流を促進するためのアプリケーション。血圧などのバイタルデータや、歩数などの運動データを蓄積し可視化する。沿線地域住民の生活習慣病の予防と行動変容を促し、地域が抱える健康課題の解決を図るのが目的だ。

 今回、へるすまーと泉北の実証実験をグループ会社の泉北高速鉄道沿線で実施する。へるすまーと泉北を使って、地域でのイベント情報の発信や健康情報の配信により、シニア世代の健康増進に向けた効果を検証する。健康関連事業者と連携した成功報酬型ビジネスモデルの構築も視野に入れる。

 実証実験は2つのフェーズに分けて実施する。フェーズ1は、2021年12月から2022年3月末で、アプリの有用性や操作性などについて、アプリの操作に不慣れな高齢者の許容性を確認する。

 具体的には、泉北高速鉄道・泉ヶ丘駅前で桃山学院教育大学および帝塚山学院大学とで「ボケない&コケないスマートアンチエイジング筋トレ教室」を開催。参加者60人をモニターに、同教室で実施する体力測定データをアプリで管理したり、自宅でのトレーニング・健康体操動画をアプリから配信したりする。

 フェーズ2は、2022年4月から8月を予定し、泉北ニュータウンの居住者および来街者にアプリを無料で提供し、バイタルデータの記録とイベント参加による運動習慣の定着・健康増進を図る。

 成功報酬型ビジネスモデルの検証もフェーズ2で実施する。アプリの広告などとして、医療機器メーカーやフィットネスジム、ドラッグストアなど健康関連事業者が提供するサービスを告知し、事業者からシステム利用料や紹介料、広告料を得ることを検討している。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名南海電気鉄道
業種交通
地域大阪府堺市南区(泉北高速鉄道・泉ヶ丘駅)
課題沿線地域の高齢化が進み、住民ニーズが変化してきている
解決の仕組みシニア世代の健康増進を後押しするアプリケーションを開発し住民に提供するとともに、同アプリを使ってバイタルデータや運動データを蓄積するほか、健康関連事業者から成功報酬を得られるビジネスモデルを確立する
推進母体/体制南海電気鉄道/泉北高速鉄道、NSD、桃山学院教育大学、帝塚山学院大学
活用しているデータアプリ利用者の血圧などのバイタルデータや歩数などの運動データなど
採用している製品/サービス/技術ヘルスケアアプリ「へるすまーと泉北」(NSDとの共同開発)
稼働時期2021年12月~2022年8月(実証実験の期間)