• UseCase
  • 交通

日本気象協会、ドラレコからの路面画像と気象データから路面状態を自動判定するAIを実証実験

DIGITAL X 編集部
2021年10月26日

日本気象協会は2021年10月18日、路面情報や道路周辺の気象情報をトラックで取得した路面画像データと気象データから抽出するAI(人工知能)システムの実証実験において、有効な結果を得られたと発表した。実験は、トラックの運行支援サービスを手掛けるトランストロンと、ソシャルメディアからの災害・リスク情報抽出を手掛けるスペクティと共同で実施した。運送事業者の安全な運行や自治体の防災対策、道路管理者の安全監視につなげたい考えだ。

 日本気象協会が実施したのは、トラックが走行中に撮影した路面の画像データと、日本気象協会の気象データを組み合わせて路面の状態をAI(人工知能)技術を使って判定する仕組みだ(図1)。2021年6月末までに実施した実証実験では、有効な結果が得られたため、今後は判定精度の向上など実用化に向けた検討を進める。

図1:路面の画像と気象データから路面状況を判定する実証実験の概要

 実験では、幸楽輸送および池田運輸の協力を得てトラックの走行中に路面の画像データを取得。これに気象データを組み合わせて、路面の状態を「乾燥、湿潤、凍結、積雪」などと判定した。

 路面の画像データの取得には、運行支援サービスを手掛けるトランストロンのネットワーク型デジタルタコグラフに連携するドライブレコーダーを使用した。運行支援サービスでは、デジタコで取得した運行情報とドラレコの映像から日報などをリアルタイムに作成している。

 データの分析には、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)から災害・リスク情報を解析しているスペクティのAI技術を使った。同社は災害関連情報を自治体や企業にリアルタイム配信する「Spectee Pro」を展開している。

 日本気象協会とトランストロン、スペクティの3者は2021年2月に、今回の実証実験に関する覚書を締結し、実験に取り組んでいた。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名日本気象協会
業種サービス
地域東京都豊島区(本社)
課題運送事業者の安全な運行と自治体の防災対策、道路管理者の安全監視に寄与するサービスを提供したい
解決の仕組み運送事業者の車両が走行中に取得した路面の画像データを気象データとともにAIで解析し、乾燥、湿潤、凍結、積雪といった路面の状態を判定する
推進母体/体制日本気象協会、トランストロン、スペクティ
活用しているデータ路面の画像データおよび気象データ
採用している製品/サービス/技術ドラレコ画像を扱えるデジタルタコグラフ(トランストロン製)、データ解析用AI技術(スペクティ製)
稼働時期2021年2月~2021年6月末(実証実験の期間)