• UseCase
  • 公共

新潟県加茂市、ルート上で自由に乗降できるデマンド型の乗り合いタクシーを実証実験

DIGITAL X 編集部
2021年11月2日

新潟県加茂市は2021年10月25日、デマンド型タクシーの実証実験を開始した。交通インフラの効率化を図るとともに高齢者や通学者らの利便性の確保を目指す。タクシーの配車システムを提供する電脳交通が同日に発表した。

 新潟県加茂市が実験する「のりあいタクシー」は、運行ルートに沿いながら、自宅前や病院、学校や駅など、どこでも乗り降りができる乗り合い型のタクシー(図1)。予約に合わせ最適なルートで配車する。加茂市全域で2021年10月25日から2022年3月31日まで土日を含めた毎日運行し、その有用性を検証する。2022年以降の本格運行を目指す。

図1:新潟県加茂市が実験する「のりあいタクシー」で運行するタクシー(左)と表示ステッカー

 タクシー1台当たりの定員は最大4人、運賃は200円からで利用距離に応じた設定とする。利用者は利用したい時間の1時間前までにWebまたは電話でコールセンターに予約し、コールセンターからタクシー会社に配車を依頼する(図2)。タクシーのドライバー用タブレットに運行ルートと乗降時間が送信されるため、タクシー会社の配車負担が軽減される。

図2:新潟県加茂市が実験する「のりあいタクシー」の概要

 乗り合いタクシーの運行開始に合わせ加茂市は、市民バスの減便および路線再編も実施する。同市の市民バスは人口が点在する地域などでは運行が非効率で、運営経費削減が求められている。予約可能な乗り合いタクシーに転換することで、交通インフラの効率を高め、市民の“生活の足2として持続可能な公共交通のあり方を検証する。

 乗り合いタクシーは、バス停から乗降するバスより利便性が高く、通常のタクシーより安価に利用できる。タクシー会社も、減便された市民バスからの移行による乗客増が期待できる。

 加茂市の乗り合いタクシーの運行は、新潟拠点の総合建設コンサルティイング会社のエヌシーイー(NCE)とNTTドコモ、電脳交通の3社が支援する。ドコモが、配車システムの導入・運用管理とタブレット端末および通信回線を提供。電脳交通が配車指示と運行データの収集を担当し、同データの分析と運行計画の立案をNCEが担当する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名新潟県加茂市
業種公共
地域新潟県加茂市
課題地域交通インフラの運営経費削減が求められるなか、交通インフラの効率化を進めながらも市民の生活の足の持続性を高めたい
解決の仕組み予約可能なデマンド型乗り合いタクシーを運行する
推進母体/体制新潟県加茂市、エヌシーイー、NTTドコモ、電脳交通
活用しているデータ運行ルートおよび乗降時間など乗り合いタクシーの予約情報
採用している製品/サービス/技術公共タクシー配車システム(電脳交通製)
稼働時期2021年10月25日~2022年3月31日(実証実験の期間)