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川崎汽船、自動車船の荷役作業の安全品質向上へAI/IoTを使う実証実験を日本IBMと実施

DIGITAL X 編集部
2021年11月8日

川崎汽船は、自動車船における荷役作業の安全品質を高めるために、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)やAI(人工知能)技術を使う実証実験を日本IBMと実施したと2021年10月27日に発表した。自動車船内における車両の走行情報、車両や作業員の位置情報、作業員のバイタル情報などを収集し分析した。

 川崎汽船が実施したのは、自動車運搬専用船における荷役作業の安全品質を高めるためのもの。船内の車や作業員の位置などを把握することで、船内でのスピード違反やヒヤリハットの発生件数、発生状況を可視化し、安全管理強化による作業品質の向上を図りたい考え(図1)。実証実験の結果を踏まえ、実装に向けた検証を進めていく。

図1:自動車船内におけるカメラ画像をAI認識により作業状況を監視する

 実験では、AI(人工知能)/IoT(Internet of Things:モノのインターネット)技術を使った仕組みが、車両の走行スピードの抑制、作業員と車両の接触防止、車両の追突防止に役立つか、作業員のバイタル情報を収集できるかを検証した。

 具体的には、船内にビーコン(位置情報センサー)と状況監視カメラ、スピード計測機器を設置。カメラ映像は、画像認識技術を使って自動車と作業員を分別し、接近状況が分かるようにした。作業員のバイタルデータとしては、ウエアラブルデバイス(ミツフジ製)を使って心拍データを取得し、アルゴリズムをもとに解析して作業員のストレス傾向を把握する(図2)。

図2:ウェアラブルデバイスを使って作業員のバイタル情報を取得する

 データの分析には、IBM Cloudを採用し、同Cloud上で資産管理・保全管理用ソフトウェア「IBM Maximo」のモニタリングル「IBM Maximo Monitor」を稼働させることで、大規模データのリアルタイムでの可視化や異常検知、ダッシュボードなどを実現した。日本IBMがIoTアプリケーションの設計やデータ分析などを支援している。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名川崎汽船
業種物流
地域東京都千代田区(本社)
課題自動車での船荷役作業における安全管理を強化し作業品質を高めたい
解決の仕組み自動車船内での車両と従業員の位置や移動速度を管理し、船内での車両のスピード違反やヒヤリハットの発生件数、発生状況を可視化する
推進母体/体制川崎汽船、日本IBM
活用しているデータ船内の車両の走行情報、車両や作業員の位置情報、作業員のバイタル情報など
採用している製品/サービス/技術資産・保全管理用ソフトウェア「IBM Maximo」とクラウドサービス「IBM Cloud」(米IBM製)、ウェアラブルデバイス(ミツフジ製)
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