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ハウス食品グループ3社、食品ロスの削減目指しサプライチェーン管理システム統合しAIで需要を予測
ハウス食品は、グループのハウスウェルネス、サンハウス食品と共に、個別運用してきたサプライチェーン管理(SCM)システムを2021年4月に統合し運用している。需要予測のためのAI(人工知能)システムも導入しており、市場変動への素早い対応と食品ロスの削減を目指す。2021年11月4日に発表した。
ハウス食品グループが2021年4月に稼働させたのは「需給最適化プラットフォーム」。ハウス食品と、健康食品を製造するハウスウェルネス、レトルト食品メーカーのサンハウス食品のそれぞれが個別運用してきた生産管理システムを統合しサプライチェーンを一元管理すると共に、AI(人工知能)技術を使った重要予測ができるようにした。欠品件数の50%減、製品・資材の廃棄ロスの10%減、管理業務工数の60%減を目指す。
需給最適化プラットフォームでは、倉庫や店舗など社内外にある情報を緊密に結合・連動させる。そのうえで、エリアごと・倉庫ごとで傾向が異なる商品の出荷数や販売数などをAIモデルで予測することで、需給計画の作成と発注業務の効率化を図る。
今後は3社で、販売動向に影響を与える販売実績や特売情報などの様々なデータやノウハウを組み合わせて解析し、需要予測の精度を高めていく。
需給最適化プラットフォームには、NECのAI技術群「NEC the WISE」の1つである異種混合学習技術を使っている。多種多様なデータの中から精度の高い規則性を発見し、その規則に基づいて状況に応じた予測ができるという。
3社はこれまで、生産管理システム「FlexProcess」(NEC製)を個別に運用してきた。需給システムと生産管理システムの連携が限定的になり、市場の変化に対応するための生産調整の初動が遅れるという課題があった。
ハウス食品によれば、日本の食品ロスは年間600万トンに及び、そのうちの324万トンは食品製造業や食品卸業など事業系の食品ロスだ。食品廃棄量を減らすことは、業界にとって重要な課題になっている。
企業/組織名 | ハウス食品 |
業種 | 製造 |
地域 | 大阪府東大阪市(本社) |
課題 | グループ内で市場の変化に対応するための生産調整の初動が遅れていた。食品製造業・卸業では食品ロスの削減が重要な課題になっている。 |
解決の仕組み | グループ企業が個々に運用してきた生産管理システムを統合しサプライチェーンを一元管理したうえで需要予測の高度化を図る |
推進母体/体制 | ハウス食品、ハウスウェルネス、サンハウス、NEC |
活用しているデータ | 卸・小売店からの発注情報、製品の配送・出荷・在庫情報、原料の発注・仕入れ情報など |
採用している製品/サービス/技術 | 生産管理システム「FlexProcess」(NEC製)、AI技術群「NEC the WISE」(同) |
稼働時期 | 2021年4月 |