船舶向け空調の潮冷熱、データ駆動型経営に向けてERPを全社統一基盤に

　船舶向け空調・冷凍機器を製造する潮冷熱は現在、人に依存した業務プロセスから脱却しデータ駆動型経営の実現を目標に、デジタルトランスフォーメーション（DX）の推進に取り組んでいる。2023年までに、生産管理から購買管理、在庫管理、財務会計、人事までの各部門をまたがり情報を一元管理できる情報基盤を確立し、グローバルでのビジネス展開を確立する計画だ。

　情報基盤として、クラウド型のERP（統合基幹業務システム）を各部門に順次導入していく。各部門で管理する500を超える表計算ソフトウェアの情報や、個々のソフトウエアの情報をERPに統合する。

　第1弾として2021年6月から、アフターサービス事業での運用を開始した。毎日100件近くに及ぶ修理業務における修繕管理、顧客管理、販売管理をデジタル化した。人に依存したプロセスが減少し、迅速な問い合わせ対応および顧客情報に基づく能動的な提案が可能になったことでアフターサービス事業の売り上げが大きく増加したとする。

　潮冷熱が導入したクラウド型ERPは、組み立て製造業向けの「Infor SyteLine」（米インフォア製）。情報の一元化に加え、構成変更や他システムとの連携が容易な点を評価し、ものづくりや、きめ細かな顧客対応を強化できると考えたという。システムの導入・運用は、インフォアのパートナー企業であるリアルソフトが支援し、3カ月で導入を完了したとしている。