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介護事業のMWS日高ら、高齢者などを対象にしたオンデマンドの相乗りMaaSを実証実験

DIGITAL X 編集部
2021年12月17日

介護事業を展開するエムダブルエス日高(MWS日高)は2021年11月15日、福祉・介護型MaaS(Mobility as a Service)の実証実験を、ソーシャルアクション機構と日立製作所と共に開始した。高齢者など日常生活を送るうえで必要な移動手段が確保できない移動制約者にオンデマンド型の移動サービスの提供を目指す。2021年11月11日に発表した。

 エムダブルエス日高(MWS日高)は、群馬県高崎市を中心に介護事業を展開する企業。今回、高齢者らが介護施設に通うためのオンデマンド送迎の仕組みを、脳や身体の活性プログラムを手掛けるソーシャルアクション機構と日立製作所とともに開発し、髙﨑市内で運営する介護施設で実証実験に取り組む(図1)。

図1:エムダブルエス日高らが取り組む福祉・介護型MaaSの実証実験の概要

 実験では、利用者の自宅とスーパーや病院間などを対象に、オンデマンドでの送迎依頼に対して送迎途中の車両を希望どおりに配車し、スムーズな相乗り送迎や、介護施設の送迎業務への影響など実用化に向けた検証を実施する。

 検証は2段階で進める。第1段階では、MWS日高のデイサービスを対象に、送迎計画を自動で立案できるようにする。組み合わせ最適化手法を用いて送迎計画表を作成し、それに基づく送迎業務および当日発生する利用者や職員の増減に対する再計画作成業務への実用性を検証する。

 第2段階でオンデマンド送迎の仕組みを検証する。送迎計画に沿って運行する福祉車両と、移動を希望する移動制約者のマッチングを図る。オンデマンド送迎ロジックを日立が開発し、ソーシャルアクション機構が持つ送迎車の位置把握システム「福祉Mover」と連携させる。

 開発する福祉・介護型MaaSでは、効率の良いルートではなく、利用者の満足度が高いルートを組み合わせで計画を作成する。利用者に提供するスマートフォン用アプリケーション(ソーシャルアクション機構製)では、MWS日高の介護ノウハウを取り入れ、高齢者が使いやすいユーザーインタフェースを採用した。

 日立らは今後、実証実験の効果を検証し、介護事業者と移動制約者の双方の利便性を両立する新たな交通サービス基盤を実現し、全国への展開を目指す。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名エムダブルエス日高
業種サービス
地域群馬県高崎市
課題高齢者など日常生活を送るうえで必要な移動手段が確保できない移動制約者に対し介護施設などへの移動手段を提供したい
解決の仕組み移動制約者らが相乗りで利用できるオンデマンド型の送迎サービスを開発・提供する
推進母体/体制MWS日高、ソーシャルアクション機構、日立製作所
活用しているデータデイサービスなどへの移動のための移動者のニーズと、送迎車の走行位置情報など
採用している製品/サービス/技術組み合わせ最適化手法によるオンデマンド送迎ロジック(日立製作所製)、送迎車の位置管理や送迎計画を管理する「福祉Mover」(ソーシャルアクション機構製)
稼働時期2021年11月15日(実証実験の開始日)