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ヤマト運輸、業務量を機械学習で予測するためのMLOps環境を構築

DIGITAL X 編集部
2021年12月24日

ヤマト運輸は、業務量を機械学習を使って予測するためのMLOps(Machine Learning Operations:機械学習運用)環境を構築した。機械学習モデルの作成プロセスを自動化し、運用の高速化と継続的な開発および精度の改善を図る。環境構築を支援したエクサウィザーズが2021年11月17日に発表した。

 ヤマト運輸は、需要に応じた経営資源の最適配置とコストの適正化を図るために毎月、約6500店ある宅急便センターの数カ月先の業務量を予測するための機械学習モデルを作成し運用している。

 今回、手動で実行していた機械学習モデルの作成プロセス(機械学習パイプライン)を自動化するために、MLOps(Machine Learning Operations:機械学習運用)環境を構築した(図1)。これにより、月次の機械学習モデルの運用を高速化した。

図1:ヤマト運輸が構築したMLOps(機械学習運用)環境の流れ

 具体的には、余裕を持ったスケジュールでの運用が可能になり、運用工数を大幅に削減できたという。加えて、機械学習パイプラインの中で、プログラムのテスト工程も自動化することで、開発から運用、学習による次の開発までの月次サイクルの効率も高めている。

 同社の中林 紀彦 執行役員は、「MLOpsの導入に成功したことで、学習モデルの運用が安定化すると同時に、継続的なモデル開発および精度改善が可能になった。MLOpsのプラットフォームと様々なデジタルサービスを組み合わせ、機械学習の価値をビジネスに生かしていきたい」と話している。

 従来、複数の機械学習モデルを毎月作成するために担当者は、月次のトランザクションデータの抽出やマスターファイルの準備、設定ファイルの書き換えなど、様々な作業を主導で実行するなど、作業負荷が高かった。事業部に予測結果を報告するスケジュールが短く、機械学習モデルの再作成や予測結果を再度分析することも難しかった。

 ヤマト運輸は、2020年1月に掲げた「YAMATO NEXT100」、2021年1月に掲げた中期経営計画「Oneヤマト2023」において、データドリブン経営への転換を図っている。セールスドライバーなど社員の生産性を高め、顧客接点の拡大などによる事業成長を目指しており、MLOps環境の構築も、その一環。

 MLOps環境の構築においては、AI(人工知能)技術を使ったサービス提供を手掛けるエクサウィザーズの協力を得た。エクサウェザーズは、ヤマト運輸での経験を基に、大企業への機械学習導入支援事業を拡大したい考えだ。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名ヤマト運輸
業種物流
地域東京都中央区(本社)
課題需要に応じた経営資源の最適配置とコストの適正化を図るために機械学習により需要を予測しているが、機械学習モデルを作成する担当者の作業負荷が高いうえ、モデルの再作成や予測の再分析のための時間が確保できない
解決の仕組み機械学習モデルを開発・運用を自動化するための環境を構築する
推進母体/体制ヤマト運輸、エクサウィザーズ
活用しているデータ機械学習モデルを作成するための月次トランザクションデータ、マスターデータなど
採用している製品/サービス/技術MLOps(機械学習運用)環境(エクサウィザーズの協力を得て構築)
稼働時期--