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三菱地所、就業者・来街者の満足度向上や災害対策強化に向け大丸有エリアのカメラを一括管理

DIGITAL X 編集部
2022年1月6日

三菱地所は、東京の大手町・丸の内・有楽町の「大丸有エリア」における就業者の満足度向上や災害対策の強化を目的に、同社が所有ビルに設置しているカメラを一括して制御・管理できるカメラシステムの導入を進める。AI(人工知能)技術による画像解析により混雑度や人流などを把握し各種施策に活用する。2021年11月24日に発表した。

 三菱地所は、東京の大手町・丸の内・有楽町の「大丸有エリア」に約20のビルを所有している。今回、全ビルに設置しているカメラシステムを一括して制御・管理できるシステムの導入を開始した(図1)。2021年度中に6つのビル、2022年度末に8つのビルを接続する予定だ。これまではビル単位の管理だった。

図1:次世代カメラシステム

 一括管理するカメラ画像はAI(人工知能)技術によって解析することで、(1)就業者・来街者の満足度の向上、(2)安心・安全の向上、(3)災害への対応強化、(4)次世代型施設運営の推進に役立てたい考えだ(図2)。

図2:次世代カメラシステム・AI画像解析の活用イメージ

 大丸有エリアの満足度向上では、店舗や主要な通り、喫煙所などの混雑状況の把握や、通りやビル内の通行量調査、人流・属性の分析による施設や店舗運営への活用、会員施設での顔認証チェックインなどに活用する。

 安全・安心の向上では、目が不自由な人や転倒者など見守り、不審物の放置や暴力行動などの早期発見などに活用。災害時の被災状況や避難経路の迅速かつ的確な対応・把握にも利用する。

 さらに天候やイベントなどの外部データと組み合わせて分析することで、施設運営の最適化を図る。警備・清掃・運搬・配膳などに導入している各種サービスロボットとの連携も進める。

 画像解析に当たっては、個人情報保護の各種法令およびガイドラインを順守する。個人のプライバシーに配慮し、特定の個人を識別できないように加工もする(図3)。

図3:画像解析後のイメージ

 カメラの一括管理には、エリア全域に敷設している専用の光ファイバー閉域網を利用し、エリア内のデータセンターにVMS(ビデオマネジメントシステム)を置く。システム構築や画像解析などではパナソニックLSネットワークスらと協業する(表1)。

表1:カメラの一括制御・管理システムは各社との協業で構築・運用する
対象分野協業する企業
VMSパナソニックLSネットワークス
画像解析マクニカ、VAAK、オプティム、ニューラルポケット、NTTドコモ、AWL、Pacific Spatial Solutions、EBILAB、野村総合研究所(NRI)、NEC
警備ロボットSEQSENSE
デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名三菱地所
業種サービス
地域東京の大手町・丸の内・有楽町エリア
課題大手町・丸の内・有楽町エリアにおける就業者・来街者の満足度の向上や災害対応を強化したい
解決の仕組みビルごとだったカメラの制御・管理を一元化するとともに、カメラ画像をAI技術で解析し、その結果を街の運営に活用する
推進母体/体制三菱地所、パナソニックLSネットワークス、マクニカ、VAAK、オプティム、ニューラルポケット、NTTドコモ、AWL、Pacific Spatial Solutions、EBILAB、野村総合研究所(NRI)、NEC、SEQSENSE
活用しているデータエリア内にある約20のビルに設置したカメラで撮影した画像、天候・イベントなどのデータ
採用している製品/サービス/技術VMS「ArgosView」(パナソニックLSネットワークス製)
稼働時期2021年度中に6つのビル、2022年度中にさらに8つのビルに導入