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「スシロー」のFOOD & LIFE COMPANIES、グループのデータ活用基盤を統一へ

DIGITAL X 編集部
2022年1月27日

回転すしチェーン「スシロー」などを運営するFOOD & LIFE COMPANIESは、グループ各社のデータ活用基盤を統一する。まず、スシローの店舗データ活用から開始し、持ち帰り鮨「京樽」のデータ活用基盤も移行する。国内外に店舗数が増える中で、データ処理にかかる時間を短縮することでデータの活用度合いを高めるのが目的だ。データ活用基盤を提供する米Snowflakeの日本法人が2021年12月3日に発表した。

 FOOD & LIFE COMPANIESは、回転すしの「スシロー」や持ち帰り鮨の「京樽」などを運営する企業。このほど、各社の販売データ分析などに用いるデータ活用基盤を刷新し、グループ展開を開始した。国内外に出店数が増えるなか、データの処理量が増大していることに加え、店舗で使うBI(ビジネスインテリジェンス)ツールからのアクセス数が増えたことによる処理時間の増大や応答速度の劣化などの課題を解消するのが目的だ。

 まず2021年10月から、スシローを対象に新データ活用基盤の利用を開始した。すでに、食材データの処理時間を従来の70%以上に、すし皿データの処理時間を85%以上、それぞれ削減できたという。

 スシローは、ICチップを取り付けたすし皿を使って商品を単品管理していることで知られる。そのための「回転すし総合管理システム」では、売れた商品をリアルタイムに管理しながら、レーンを一定距離流れた皿を自動で排除する。経営層に向けては「どのメニューが、いつ、どれくらい売れたか」といった販売情報を翌朝に報告しているが、旧システムでは報告の直前までデータの更新処理が続いていた。

 本社や国内外全店舗の情報はAWS(Amazon Web Services)上で一元管理している。新データ活用基盤には現在、国内店舗の回転すし総合管理システムのデータと、POS(販売時点情報管理)や受発注など各店舗のデータ、本社が所有する各種マスターデータおよび計画・予算データを格納している。

 今後は、スシローの海外店舗のデータを移行するほか、京樽が持つデータ分析基盤のデータも移行し、グループ内で活用していく。

 新データ活用基盤には、クラウド型データ基盤「Snowflake」(米Snowflake製)を採用している。Snowflakeが運営するデータのマーケットプレイスにも参加し、そこにあるウェザーニューズの気象データとの連携を図り、販売促進や仕入れにおけるデータ活用を進める考えだ。

 Snowflakeの採用は、FOOD & LIFE COMPANIESのBI活用を支援しているジールが提案した。FOOD & LIFE COMPANIESは、性能チューニングにより販売データの更新時間短縮ができる点のほか、クラウド型のためデータ容量の増加を気にかける必要がないこと、同時アクセスによる性能劣化を回避できること、従量課金であることも評価したという。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名FOOD & LIFE COMPANIES
業種サービス
地域大阪府吹田市(本社)
課題「スシロー」において処理すべきデータ量が増加し前日の販売データの更新に時間を要していたほか、各店舗で利用するBIツールの応答時間が劣化してきた
解決の仕組み処理性能や大容量データを扱えるクラウド型データ基盤を採用する
推進母体/体制FOOD & LIFE COMPANIES、ジール、米Snowflake日本法人
活用しているデータ回転すし総合管理システムが処理する販売情報、POSや受発注データ、各種マスター、計画・予算データなど
採用している製品/サービス/技術クラウド型データ基盤「Snowflake」(米Snowflake製)
稼働時期2021年10月(スシローでの稼働時期)