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エム・エス・ケー農業機械、小麦栽培を衛星画像なども使って最適化する実証実験をNECと開始

DIGITAL X 編集部
2022年1月28日

農機販売のエム・エス・ケー農業機械(MFM)は、小麦の栽培における生産性や経営効率を高めるために各種データを活用する実証実験にNECと共同で取り組む。農機で得る収量データや衛星による画像データなどをAI(人工知能)技術で分析し、施肥の最適化などに取り組む。2021年12月6日に発表した。

 エム・エス・ケー農業機械(MFM)がNECと共同で取り組むのは、小麦栽培に各種データを活用するための実証実験。ほ場ごとの収量データや衛星画像/センサーデータなどを使って営農を可視化したり、AI(人工知能)技術による分析結果から営農をアドバイスしたり施肥を最適化したりする。農業の再現性や生産性、農業経営の効率を高めるのが目標だ。

 実験は、北海道河西郡芽室町にある170ヘクタール(東京ドーム約34個分)規模の小麦農場で約2年をかけて実施する。MFMが扱う大型コンバインハーベスター「LEXSONシリーズ」(独CLAAS製)が持つ「収量マッピングオプション」を使って、ほ場での収穫作業から収量マップを作成する(図1)。

図1:収量データを取得できる大型コンバインハーベスター「LEXSON」による収穫の様子

 これにNECの農業ICTプラットフォーム「CropScope」経由で、衛星画像や各種センサーで得た営農・環境データを可視化する(図2)。衛星画像からは作物の生育状況が、センサーからは土壌や気象の状況が、それぞれ分かるという。

図2: NECの「CropScope」による、ほ場環境の可視化の例

 これらシーズン中の営農データと、環境データ(過程)、収量マップ(結果)を組み合わせて分析することで、営農改善に向けたアドバイスを作成。AIシステムにより最適な施肥設計・計画を立案し、同計画に沿って施肥を自動で実行できる可変施肥対応施肥機(仏KUHN製)を稼働できるようにする。

 NECはこれまでに、CropScopeを使った実証実験を欧州や米州などのトマト農家と共に実施し、熟練栽培者と同等の収穫量を実現できることを確認しているという。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名エム・エス・ケー農業機械(MFM)
業種農林水産
地域北海道河西郡芽室町(実証地の小麦農場)
課題農業の再現性、生産性、経営効率を高めたい
解決の仕組み収量や衛星画像、各種センサーによる営農・環境データをAI技術で分析し、営農のアドバイスや施肥設計・計画の最適化を図る
推進母体/体制エム・エス・ケー農業機械、NEC
活用しているデータ農機で得た収量や、衛星画像・各種センサーによる営農・環境データなど
採用している製品/サービス/技術農業ICTプラットフォーム「CropScope」(NEC製)、大型コンバインハーベスター「LEXSONシリーズ」(独CLAAS製)、可変施肥対応施肥機(仏KUHN製)
稼働時期2021年12月6日(実験開始の発表日)