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米フォード、ディーラーの修理技術者への遠隔支援にAR技術を導入

DIGITAL X 編集部
2022年2月2日

米フォード・モーター・カンパニーは、ディーラーの修理担当技術者の業務効率を高めるための遠隔支援策にAR(Augment Reality:拡張現実)技術を導入した。車両の診断・修理に当たるディーラーに対しグローバルに展開する。ARシステムを提供する独TeamViewerの日本法人が2021年12月8日に発表した。

 米フォード・モーター・カンパニーは、ディーラー支援プログラム「See What I See」を展開している。See What I Seeに参加するディーラーの修理技術者を対象にAR(Augment Reality:拡張現実)技術を使ったサポートサービスを開始した。まずは米国内から開始し、グローバル展開を図る。

 新しいサポートサービスは、現場で修理に当たる技術者に対し、「フォード・テクニカル・アシスタンス・センター(TAC)」の専門家が遠隔地から作業を支援するもの。ディーラーの修理技術者がスマートグラスを装着し、現場の作業内容をTACの専門家とリアルタイムに共有することで作業手順などを指示する(図1)。

図1:米フォードがディーラー支援プログラム「See What I See」に追加したAR技術を使ったサポートにおける技術者視点での表示例

 ディーラーの技術者は、ポータルサイトまたは電話でTACと連絡を取り、リモートでARセッションを開始する。TACの専門家は、スマートグラスの画面上に注釈や追加のドキュメントを表示できる。ほかにズームインや画面の共有、セッション録画、ライトの点灯などができる。

 TACの担当者は、「スマートグラスを装着しているディーラーの修理技術者は、TACのスペシャリストがそばにいて支援してくれているかのように作業を円滑に進められる。サービスを活用しているディーラーからは高い評価を得ている」と語る。

 スマートグラスによる情報共有には、産業用ARシステム「TeamViewer Frontline」(独TeamViewer製)を採用した。ディーラーの技術者が話していることや作業内容を可視化できれば、複雑な問題をより正確に解決できると判断し、TeamViewer Frontlineを導入したとしている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名米フォード・モーター・カンパニー
業種製造
地域米ミシガン州ディアボーン(本社)、グローバル(ディーラー・アシスタント・プログラム「See What I See」の展開地域)
課題ディーラーにおける車両修理の効率を高めたい
解決の仕組みAR技術を使い現場で修理に当たるディーラーの技術者を「フォード・テクニカル・アシスタンス・センター(TAC)」にいる専門家が遠隔地から支援する
推進母体/体制米フォード・モーター・カンパニー、独TeamViewer
活用しているデータディーラーの技術者の会話や作業内容を撮影した映像など
採用している製品/サービス/技術産業用ARシステム「TeamViewer Frontline」(独TeamViewer製)
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