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茨城県行方市、「霞ヶ浦シラウオ」の認証制度に向け鮮度をAIで評価するプロジェクトを始動

DIGITAL X 編集部
2022年2月10日
写真:霞ヶ浦の風景

茨城県行方市は、霞ヶ浦で獲れるシラウオの認証制度創設に向けたプロジェクトを、デジタル技術の社会実装を手掛けるima(あいま)とともに立ち上げた。シラウオの鮮度をAI(人工知能)技術で客観的に評価することで、霞ヶ浦シラウオのブランド化と新たな市場開拓を目指す。2022年7月から実証を開始する。2021年12月14日に発表した。

 茨城県行方市が、デジタル技術の社会実装を手掛けるima(あいま)とともに立ち上げたのは「霞ヶ浦シラウオ×AI」プロジェクト。霞ヶ浦で獲れるシラウオを「霞ヶ浦シラウオ」としてブランド化することで、新たな市場を開拓し、漁獲量頼みの漁業経営を変革するとともに水産資源の有効活用を図りたい考えだ。

 そのために、シラウオの鮮度を客観的に評価するためのAI(人工知能)システムを、AI発などを手掛けるKICONIA WORKSと連携して開発した。客観的評価に基づく認証制度を創設し、鮮度をウリに東京都内の高級飲食店などに当日配送することでブランド化を図ることで、漁業者の所得向上を後押しする。

 同システムを用いたシラウオの鮮度の客観的評価は、2022年度のシラウオ漁が解禁される7月から始める予定だ。

 評価用AIシステムの開発では、シラウオの画像データに対し、目利きの漁業者の知見を元に等級をラベル付けするアノテーションを実施し学習データを作成した。その学習データを使ってImaらがAIによる分類モデルを作成した。

 今後は、茨城県農林水産部や近畿大学農学部水産学科、東京農業大学生物産業学部とも連携し、データによる品質評価を元に、シラウオのさらなる品質向上などに取り組む。行政や専門家によるチーム体制を確立し漁業経営の支援と水産資源の有効活用を推進する。

 霞ヶ浦は日本で2番目に大きな湖。だが行方市によれば、近年は水産資源の継続的な有効活用が難しくなっている。その背景には、国内の湖魚市場の減少や価格の低迷、高齢化や担い手不足による漁業者の減少がある。販路が限定されるために価格の変動が小さく、漁業者は漁獲量頼みになっているが、鮮度の良いシラウオの出荷に取り組む漁業者も存在する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名茨城県行方市
業種公共
地域茨城県行方市
課題霞ヶ浦でシラウオが獲れるが、国内市場の減少や価格低迷、漁業者の減少により漁獲量頼みの経営に陥っており、水産資源の持続的な有効活用が難しくなっている
解決の仕組みシラウオの鮮度を客観的に評価することで認証制度を創設し「霞ヶ浦シラウオ」のブランド化を図り漁業者の所得増を図るとともに水産資源の有効活用を目指す
推進母体/体制茨城県行方市、ima、KICONIA WORKS
活用しているデータシラウオの画像情報など
採用している製品/サービス/技術シラウオの鮮度を評価するAIシステム
稼働時期2022年7月(鮮度評価システムの適用時期)