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中国電力ネットワーク、配電設備の保守・運用効率の向上に向け電柱や電線の画像を取得

DIGITAL X 編集部
2022年3月25日

中国電力ネットワークは、同社が管理する配電設備の運用・保守効率を高めるために、設備画像の取得を開始した。画像分析による設備の現状把握や不良箇所の判定など、これまで目視によってきた確認業務の代替を目指す。2021年12月22日に発表した。

 中国電力ネットワークは、同社が管理する電柱や電線などの配電設備の保守・運用効率を高めるのを目的に、電柱や電線などの画像の取得を2021年12月22日に開始した。目視に頼っていた設備の正確な位置や状況を把握するのが目的だ(図1)。さらには画像をAI(人工知能)技術により分析し、不良箇所を自動で判別するなどし、点検業務の効率化・省力化に取り組む。

図1:配電設備の画像から設備の正確な位置や状況を把握する

 画像を取得する対象は、中国エリアに約200万本ある電柱など。最大10台の車両を使って約10万キロメートルを走行し撮影する。撮影した画像は、Mobile Mapping System(MMS)を使って管理する。MPSは、ステレオカメラや3次元レーザー測定器などを使って、走行しながら設備などの3次元座標データを取得するシステムである(図2)。

図2:Mobile Mapping System(MMS)を使って取得できる情報の例

 画像の取得・活用には、NTT西日本グループのNTTビジネスソリューションズとNTTフィールドテクノ、およびNTTインフラネットと共同で取り組む(表1)。NTT西日本グループが持つ通信設備を対象にしたデジタル技術活用の知見を活用するという。

表1:配電設備の画像取得に携わる4社と各社の役割
会社名役割
中国電力ネットワーク保有する配電設備のデータ化を進め業務効率を高める
NTTビジネスソリューションズ画像取得用車両の製作や環境整備、走行などのプロジェクトマネジメント
NTTフィールドテクノ通信インフラの事業運営で実現している画像情報取得のための技術支援
NTTインフラネット空間マネジメントシステムの提供、画像取得用車両の製作と現地での走行

 4社は今後も、AIやIoT(Internet of Things:モノのインターネット)といったデジタル技術の活用や、一部業務の共同化の検討などに取り組み、電力・通信設備を対処にした運用・保守業務の高度化や生産性の向上に努めるとしている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名中国電力ネットワーク
業種公共
地域広島市(本社)
課題中国エリアで管理する約200万本の電柱などの配電設備の運用・保守業務の効率を高めたい
解決の仕組みMobile Mapping System(MMS)を使って設備の正確な位置や現状を把握する。画像はAI技術で分析し不良箇所を自動で判定する
推進母体/体制中国電力ネットワーク、NTTビジネスソリューションズ、NTTフィールドテクノ、NTTインフラネット
活用しているデータ電柱など配電設備の画像および3次元座標データ
採用している製品/サービス/技術Mobile Mapping System(MPS)
稼働時期2021年12月22日(画像データの取得開始日)