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仏ルノー、車両の開発期間を約1年短縮するためにデジタルツインを構築へ
仏ルノーグループは、新型車やモビリティサービスの開発におけるコスト削減と開発期間の約1年の短縮を目的に、デジタルツインを活用するための基盤を構築する。開発に携わる全行程で、仮想環境を使ってのコラボレーションを促進する。必要な仕組みを提供する仏ダッソー・システムズと20年間におよぶ新たな提携を結んだ。仏ダッソー・システムズの日本法人が2021年12月24日に発表した。
仏ルノーグループは、新型車やモビリティサービスの開発にデジタルツインを活用する。コスト削減と期間短縮が目的で、開発期間については、これまでより約1年間の短縮を目指す。同グループの新戦略「Renaulution(ルノーリューション)」の一環だ。Renaulutionで同グループは、テクノロジーとサービス、エネルギーを提供する企業へ変わるという。
デジタルツインの活用に向けては、そのための基盤を導入する。開発工程におけるデザインからプロダクトエンジニアリング、インダストリアルプロセスエンジニアリング、購買、原価計算、品質管理までを含む幅広い業務で、世界で2万人を超えるグループ従業員が使用する。
基盤上で車両のデジタルツインのほか、リアルタイムに更新される共通のシステムやソフトウェア、3D(3次元)モデリング、シミュレーションを共有することで、関係者間のコラボレーションをより高められると期待する。
昨今の車両開発では、各種規制の強化や、製品の複雑化、電動化、コネクティビティ、持続可能性などへの対応が求められることに加え、モビリティサービスへの取り組みが不可欠になっている。
ルノーグループCEO(最高経営責任者)のルカ・デメオ氏 は、「単一のデジタル環境下でエンジニアリングをすべての分野に結びつることで、柔軟性、機敏性、スピード、効率性、有効性を獲得し、新しいモビリティをこれまでにない速さで開発できる」とする。
基盤の構築に向けて、仏ダッソー・システムズと20年間におよぶ新たな提携を結んだ。ダッソー・システムズのクラウド基盤「3DEXPERIENCEプラットフォーム・オン・クラウド」を採用し、同基盤上で「オン・ターゲット・ビークル・ローンチ」「スマート、セーフ&コネクテッド」「グローバル・モジュラー・アーキテクチャ」「エフィシェント・マルチエネルギー・プラットフォーム」の4つの自動車業界向けサービスを利用する。
企業/組織名 | 仏ルノーグループ |
業種 | 製造 |
地域 | 仏パリ(本社) |
課題 | 自動車の開発におけるコストと期間を削減したい |
解決の仕組み | 開発に関連するデジタルツインを構築し、エコシステム内の様々な機能や専門性を連携し、全体としての俊敏性や協調性を高める |
推進母体/体制 | 仏ルノーグループ、仏ダッソー・システムズ |
活用しているデータ | 設計、プロダクト・エンジニアリング、インダストリアル・プロセス・エンジニアリング、購買、原価計算、品質管理など、車両開発に関連する情報 |
採用している製品/サービス/技術 | デジタルツインのためのクラウド基盤「3DEXPERIENCEプラットフォーム・オン・クラウド」、自動車業界向けサービス「オン・ターゲット・ビークル・ローンチ」「スマート、セーフ&コネクテッド」「グローバル・モジュラー・アーキテクチャ」「エフィシェント・マルチエネルギー・プラットフォーム」(いずれも仏ダッソー・システムズ製) |
稼働時期 | ―― |