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奥村組、実験のための増改築にメタバースを活用し検証工数を削減

ANDG CO., LTD.
2022年4月5日

奥村組は、実験棟における各種実験に伴って発生する増改築工事の工数を削減するためにメタバースを構築する。バーチャル空間でシミュレーションすることで、検討段階から増改築内容の精度を高めることで工数を減らす。2021年12月23日に発表した。

 奥村組が構築した「メタバース技術研究所」は、同社の技術研究所内にある実験棟のメタバース(図1)。各種実験のために構築する室内環境を再現に必要な増改築工事を対象に、バーチャル空間でシミュレーションすることで設計や施工内容の検討精度を高め、実際の工事での工数を削減する。

図1:奥村組の技術研究所(左)とバーチャル空間に構築した「メタバース技術研究所」

 メタバース技術研究所では、実験仮想環境シミュレーションにより、日射条件を4通りに変更し、室内環境の快適性や省エネルギー性に及ぼす影響を検証できる(図2)。増改築工事の設計や施工について実寸大で実験し、あらゆる角度から検討する。工事関係者がバーチャル空間内で合意形成を図り、その実験結果に基づいて実際の増改築工事を進めることで、手戻りを減らせるとみる。

図2:「メタバース技術研究所」での確認・検討の様子

 バーチャル空間での検討はSDGs(持続可能な開発目標)の推進にもつながるとする。メタバース技術研究所では、実際の素材は一切使用しないためだ。実空間での実験では、各種条件を設定するために、アルミサッシやアルミルーバーなどを実寸大のモックアップとして作るが、実験後は産業廃棄物になっていた。

 メタバース技術研究所の構築には、国土交通省が進める建設現場へのデジタル技術適用プロジェクト「i-Construction」が利用を進めるBIM(Building Information Modeling)データを使う。既存のBIMデータを使うことで、実験棟の3D(3次元)モデルを早期に構築できるという。

 同研究所の構築には、VR(Virtual Reality:仮想現実)サービス「NEUTRANS(ニュートランス)」(Synamon製)を利用している(図3)。

図3:VR(仮想現実)サービス「NEUTRANS」を使ったバーチャル空間での検討の様子
デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名奥村組
業種情報
地域大阪市阿倍野区(本社)
課題実験棟で実施する実験に伴う増改築工事の工数を減らしたい
解決解決の仕組み実験棟のメタバースを構築し、バーチャル空間で実寸大でシミュレーションを実施することで関係者の合意をうながす
推進母体/体制奥村組、Synamon
活用しているデータBIMデータなど
採用している製品/サービス/技術VR(仮想現実)サービス「NEUTRANS(ニュートランス)」(Synamon製)
稼働時期−−