• UseCase
  • サービス

日本工営、工場の遠隔作業支援と予防保守へのローカル5Gを利用する実証実験をタイで実施

DIGITAL X 編集部
2022年4月25日

建設コンサルタントの日本工営が、工場における遠隔作業支援と予防保守を目的にしたアプリケーションにローカル5Gを利用する実証実験をKDDIと共同では2022年1月24日に開始した。4Kでの360°カメラの映像や機械作動音なのデータを圧縮せずにやり取りし、作業員の負荷軽減などにつなげる。同日に発表した。

 日本工営が実証するのは、工場における作業の遠隔支援や予防保守へのローカル5Gの利用効果の検証だ。ダイキン工業が、タイのアマタシティ・チョンブリ工業団地に置くDaikin Industriesの工場において、2022年1月24日から3月上旬にかけて実施する。

 実験では、工場内に5G用基地局を3台設置し、ローカル5Gネットワークを構築。4K解像度の360°カメラの映像や、工場内のカメラ映像・機械作動音といったデータを圧縮せずに送信する(図1)。作業者が装着するウェアラブルカメラからの映像も利用する。

図1:4K360度カメラによる遠隔作業支援イメージ

 4K360°カメラでは、現場全体を撮影した俯瞰映像から、遠隔地にいる監視者が現場で点検に当たる作業者を支援し経験やスキルの不足を補う。移動コストの削減および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染リスク軽減も図る。

 カメラ映像・機械作動音のデータは、AI(人工知能)技術を使って分析することで機械の稼働監視や故障予兆の検知につなげる。映像や作動音はIPカメラなどを使って常時取得する。

図2:カメラ映像および機械作動音声のAI 分析・判断イメージ

 工場に設置する5G用基地局は、3GPP(Third Generation Partnership Project)が規定する国際標準仕様に準拠する。通信事業者および通信機器ベンダーによる団体O-RAN Alliance(Open Radio Access Network Alliance)が規定する「O-RAN Specification」にも準拠している。

 今回の実験は、総務省の「タイ王国工業団地におけるローカル5Gを活用したアプリケーションの実証試験」として実施する。360°カメラの映像撮影にはリコーが、カメラ映像・機械作動音のAI分析・判断にはタイLEGA CORPORATIONとブレインズテクノロジー、コルグ、アニモが、それぞれ協力している。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名日本工営
業種サービス
地域タイのチョンブリー県(アマタシティ・チョンブリ工業団地にあるタイDaikin Industriesの工場)
課題海外工場で機械の点検などに当たる現場作業者の経験やスキル不足を補ったり、機械の保守コストの削減や保守作業の効率化につながる仕組みを構築したい
解決の仕組み5G通信を使って、現場の4Kの360°俯瞰映像や工場で稼働する機械の映像・作動音を圧縮せずに送信する
推進母体/体制日本工営、タイDaikin Industries、KDDI、リコー、タイLEGA CORPORATION、ブレインズテクノロジー、コルグ、アニモ
活用しているデータ4K解像度の360度カメラ映像、ウェアラブルカメラ映像、機械の映像データと動作音
採用している製品/サービス/技術国際標準準拠の5G用基地局、4K360度カメラ、ウェアラブルカメラI
稼働時期2022年1月24日~3月上旬(実証実験の期間)