• UseCase
  • 金融・保険

楽天生命、保険の引受査定を自動化するAIシステムを構築

DIGITAL X 編集部
2022年5月3日

楽天生命保険は、保険の申し込み時に告知される情報から、加入希望者の入院リスクを予測し保険の引受査定を自動化するシステムを構築した。査定担当者の負担の平準化と業務の効率化を図る。2022年1月31日に発表した。

 楽天生命保険が構築したのは、保険の引受査定を自動化するためのAI(人工知能)システム(図1)。担当者が実施してきた作業の負担を平準化と業務効率を高める。併せて、自動査定によって取得できるデータを集計・分析することで、査定基準を随時見直せる仕組みを構築する。

図1:楽天生命保険が開発した引受査定の自動化システムの概要

 新システムは、保険募集代理店の担当者が営業用タブレットから利用する。保険申込時に告知される健康状態や過去の病歴といった情報を解析し、生活習慣病に関連するリスクを判定し、引受の可否を自動で判断する。

 楽天は今後、AI技術を使って査定する対象範囲を広げ、各種保険の加入手続きの効率を高め、申し込みに掛かる手続き期間の短縮を図る。自動査定を通じて取得する引受データを保険金や給付金の支払いデータと突合・分析し、医療査定にも利用する予定である。

 査定の自動化には、リスクシミュレーションサービス「Risk Simulator for Insurance」(日立製作所製)を利用している。今回、保険申込書に記入される病名や服用中の薬の表記に対し、誤字・脱字が含まれていても適切な病名や薬剤名、世界共通の傷病分類コード「ICD10」に自動変換する機能を開発した。

 自動変換機能は、Risk Simulator for Insuranceの新機能として日立は2022年4月から販売する予定である。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名楽天生命保険
業種金融・保険
地域東京都新宿区(本社)
課題保険引受の可否を判定する担当者の負担の平準化と業務の効率化を図りたい
解決の仕組みAI技術を使い、申し込み時の告知内容から生活習慣病にかかわるリスクを解析・判定し、保険の引受可否を自動で判断する
推進母体/体制楽天生命保険、日立製作所
活用しているデータ保険申込時の告知情報
採用している製品/サービス/技術リスクシミュレーションサービス「Risk Simulator for Insurance」(日立製作所製)
稼働時期--