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肉汁餃子のダンダダン、食材発注を無人化する実証実験で91.7%を適正発注

DIGITAL X 編集部
2022年5月24日

「肉汁餃子のダンダダン」を展開するダンダダンが、食材の発注にAI(人工知能)技術を用いる実証実験を首都圏3店舗で実施した。対象食材の91.7%で、人手を介さずに適正量を自動で発注できたという。属人的だった発注業務の負担軽減などが目的だ。AI自動発注システムを提供したGoalsが2022年3月15日に発表した。

 ダンダダンは「肉汁餃子のダンダダン」を展開している。今回、首都圏3店舗において2021年12月1日から17日にかけて、売り上げ実績に基づいて食材をAI(人工知能)技術を使って自動で発注する実証実験を実施した。

 具体的には、売り上げ実績から、天候や時期に応じた来客数と各メニューの注文数を店舗ごとに予測。その予測と各メニューに利用する食材分量表(レシピ)の情報を組み合わせることで食材別の使用量を予測し、人手を介さずに適切量を発注した。

 実験の結果、対象食材の91.7%において適正量の発注ができたという。対象食材は各店舗平均の67品目を選定した。うち58%は、在庫が一定水準を下回われば一定量発注する「不定期発注方式」の食材だった。

 ダンダダンの取締役営業部長である福田 亮介 氏は「飲食店での発注業務は属人的になりがちなうえ教育を施しにくい。特に酒類を中心に提供する業態では、夜のピーク後に発注業務に取り掛からなければ発注量を適正化できず、業務負担が重かった」と話す。

 実験における来客数予測には、外食産業向けクラウドサービス「HANZO 自動発注」(Goals製)を利用した(図1)。

図1:外食産業向けクラウドサービス「HANZO」シリーズの画面例

 同サービスをダンダダンは2021年9月からフランチャイズ加盟店を除く全77店舗(当時)に導入している。これまでも「BtoB プラットフォーム受発注」(インフォマート製)の発注データとの連携を図ることで、発注業務にかかる時間を1店舗当たり月間最大12.5時間を短縮できていた。今回は、さらに人手を介さない自動発注の精度を検証したことになる。

 Goalsによれば、一般に飲食店における食材の発注業務は、店舗ごとに日々の来客数や各メニューの注文数を予想したうえで、使う食材の分量や発注済みの食材数などの計算が担当者の判断に任されることが多い。発注業務が複雑化するため、業務時間の増大や、発注ミスによる食材の損失や品切れなどを招いている。

 なお今回の実験は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が産業技術総合研究所(産総研)に委託した研究プロジェクトにおける一部の実証を、伊藤忠商事が受託して実施し、Goalsが協力した。Goalsは今後、AI予測精度を改善し100%の発注自動化を目指す。対象食材についても拡大するとしている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名ダンダダン
業種サービス
地域東京都新宿区(本社)
課題発注による業務時間が増えていたほか、業務の複雑化による人為的ミスが発生しやすい
解決の仕組み売り上げ実績から来店数などを予測し、レシピ情報と組み合わせることで必要な食材を自動で発注する
推進母体/体制ダンダダン、Goals、伊藤忠商事
活用しているデータ売り上げ実績データ、メニューのレシピなど
採用している製品/サービス/技術外食産業向けクラウドサービス「HANZO 自動発注」(Goals製)、「BtoB プラットフォーム受発注」(インフォマート製)
稼働時期2021年9月(ダンダダンでの導入時期)、2021年12月1日から17日(実証実験の実施時期)