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村本建設、施工の進捗を遠隔から確認するためにBIM・点群データを活用

DIGITAL X 編集部
2022年6月10日

村本建設は、建物の施工検査にBIM(Building Information Modeling)データと点群データを利用し、遠隔から確認できるようにした。両データの活用サービスを使い、両者を重ねて表示することで施工状況を確認する。同サービスを開発したシリコンスタジオが2022年3月24日に発表した。

 村本建設が導入したのは、建物の施工状況を遠隔から確認するためにBIM(Building Information Modeling)データと点群データを重ねて表示する仕組み。これにより、設計データと施工状況の差異を複数の遠隔地から複数人が視覚的に比較・確認できるようにした(図1)。情報共有と進捗の確認精度が高まると同時に、施工の検査時間の短縮につながるという。今後、現場に即したワークフローの構築と追加機能の実装を目指す。

図1:BIMデータと点群データを重ねて表示することで設計データと施工状況の差異を可視化する

 BIMデータと点群データは、PCやタブレットのほか、VR(Virtual Reality:仮想現実)対応のヘッドマウントディスプレイでも確認できる。BIMデータはAR(Augument Reality::拡張現実)グラスを使えばMR(Mixed Reality:複合現実)環境でも確認が可能だ。

 両データの活用には、デジタルコンテンツ関連ビジネスを展開するシリコンスタジオが開発した「BIM・点群データ活用ソリューション」を採用した。同ソリューションの開発では、ゲームエンジンの「Unity」(米ユニティ・テクノロジーズ製)と、リアルタイム3D(3次元)モデリングをシームレスに構築する「Unity Reflect」(同)を使いながら、点群データを重ねて表示する機能を追加した。

 村本建設の技術開発部チームリーダーである太田 稔 氏は、「建設業界とは縁遠いと思われていたゲームや映像の事業を手掛けるシリコンスタジオとタッグを組んだことで、効率的かつスピード感を持って開発できた。今後も開発中の技術が業界を超えて広く利用してもらえるよう共に考えていきたい」と語る。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名村本建設
業種製造
地域大阪市(本社)
課題コロナ禍で往来が制限されるなか、現場での施工検査を遠隔から実施し検査時間を短縮するとともに、情報共有と進捗の確認精度を高めた
解決の仕組みBIMデータと点群データを重ねて表示し、設計データと施工状況の差異を可視化する
推進母体/体制村本建設、シリコンスタジオ
活用しているデータBIMデータ、点群データ
採用している製品/サービス/技術「Unity」「Unity Reflect」(いずれも米ユニティ・テクノロジーズ製)
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