• UseCase
  • 製造

清水建設、建物設備とロボットなどを連携制御する実証を豊洲で実施

DIGITAL X 編集部
2022年6月28日

清水建設は、建物設備とロボットなど自律動作する機器を連携・制御して新しいサービスを開発するための実証実験を東京・豊洲で2022年4日1日から実施している。まずはロボットを使った清掃・案内サービスを開発する。実証は、ブルーイノベーション、オムロン ソーシアルソリューションズと共同で実施する。2022年3月29日に発表した。

 清水建設が実証しているのは「ロボット連携基盤」。同社の建物用基本ソフトウェア(OS)である「DX-Core」と、ロボットなどの管理・制御するためのプラットフォームを連携することで、ビルの空調や照明、エレベーターなどと、ビル内外で動作するモビリティ群を一括で管理・制御し、ビル用の新サービスを開発できるようにするのが目的だ(図1)。

図1:清水建設が東京・豊洲のスマートビル「メブクス豊洲」に実装した実証環境の全体イメージ

 まずは清掃ロボと案内ロボを使った、清掃サービスと案内サービスの開発を進める(図2)。

図2:ロボット清掃サービス(左)とロボット案内サービスのイメージ

 清掃サービスでは、DX-Core と、ドローンやロボットなどを制御するデバイス統合基盤「Blue Earth Platform(BEP)」(ブルーイノベーション製)を連携し、ロボットの移動に合わせてエレベーターや自動ドアを制御することで、ビル内を円滑に移動しながら自動で清掃できるかどうかを検証する。ロボットには複合型の「Toritoss」(オムロン ソーシアルソリューションズ製)を使う。

 案内サービスでは、DX-Coreと、DX-Coreをベースに清水建設が開発したモビリティ基盤「Mobility Core」を連携し、やはり移動に合わせてエレベーターと自動ドアを制御し、ロボットが階をまたいだ来客案内ができるかどうかを検証する。

 清水建設によると、スマートシティでは、建物内設備からビル内を自動走行するロボットまで多種多様な機器の制御するために、それぞれのアプリケーションを連携させる必要がある。しかし、アプリケーション間連携には、設備機器やデバイスごとにプログラミングが必要なケースがが多く、それぞれを連携させたサービスの開発・実装を妨げる要因になっている。

 将来的には、自動運転車やドローンを対象にした連携サービスの開発・展開を視野に入れる。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名清水建設
業種製造
地域東京都江東区(スマートシティ「メブクス豊洲」)
課題スマートシティでは建物内の空調や自動ドア、エレベーターなどの設備機器からビル内を自動走行するロボットなどの一体制御が求められるが、制御アプリケーションは設備機器・デバイスごとにプログラミングする必要があり、それぞれの連携を妨げている
解決の仕組み建物OSと複数のロボット制御基盤を組み合わせロボット連携基盤を構築する
推進母体/体制清水建設、ブルーイノベーション、オムロン ソーシアルソリューションズ
活用しているデータ建物内の建物設備の運用情報と、ロボットなどの稼働状況や位置情報など
採用している製品/サービス/技術建物OS「DX-Core」(清水建設製)、モビリティ基盤「Mobility Core」(清水建設製)、デバイス頭語憂っ基盤「Blue Earth Platform」(ブルーイノベーション製)、複合型サービスロボット「Toritoss」(オムロン ソーシアルソリューションズ製)
稼働時期2022年4月1日(実証実験の開始日)