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住友ゴム工業、タイヤ材料の解析時間をトヨタのクラウド使い100分の1以下に

DIGITAL X 編集部
2022年9月2日

住友ゴム工業は、タイヤに使用するゴム材料のデータ解析にトヨタ自動車が提供するマテリアルズインフォマティクス(MI)のためのクラウドサービスを使う実証実験で、データ解析に要する時間を100分の1以下に短縮できたという。2022年4月12日に発表した。

 住友ゴム工業とトヨタ自動車は、材料開発における解析力の向上と研究開発のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するために、機械学習を活用するマテリアルズインフォマティクス(MI)に関する実証実験を2020年6月から取り組んでいる(図1)。研究開発の効率化・高速化・省力化が目標だ。

図1:住友ゴム工業におけるトヨタ自動車製クラウド「WAVEBASE」の利用概要。外部の最先端研究施設と連携し解析結果を共有する実験も予定する

 解析基盤には、トヨタ自動車が提供するMIのためのクラウドサービス「WAVEBASE(ウェーブベース)」を用いている。実証に向けては、ゴムの材料解析に関する知見をトヨタと共有し、カスタマイズした。

 WAVEBASEを使い、さまざまな実験室が持つ分析装置で得られるゴム材料関連の実験データを統合。ビッグデータとして実験現場でリアルタイムに解析している(図2)。結果、住友ゴムの先端研究施設から得られるデータの解析プロセスにおいて、データ解析時間を100分の1以下にまで短縮できたとしている。

図2:自動車走行時の路面状況によるタイヤの物質変化に対する研究の例

 これまでも住友ゴムは、材料開発において、大型放射光施設「Spring-8」や大強度陽子加速器施設「J-PARC2」、スーパーコンピューターなどの利用を進めてきた。ただ近年は、計測技術の進化や装置の高度化により、短時間で大量のデータを取得できるようになり、解析処理が追いつかなくなっていた。加えて、データ材料中のわずかな変化までを分析対象にするようになっており、処理の負荷は高まる傾向にある。

 今後は、WAVEBASEの活用をさらに進め、従来の開発プロセスにはない新たな着眼点を得ながら、住友ゴム独自の材料開発技術「ADVANCED 4D NANO DESIGN」を進化させ、タイヤの安全性能と環境性能のさらなる向上を図りたい考えだ。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名住友ゴム工業
業種製造
地域神戸市(本社)
課題材料に関する大量のデータを短時間で取得できるようになったほか、材料変化の解析が細かさを増したことで、解析処理の負荷が高まっている
解決の仕組み材料解析のクラウドサービスに、材料開発における知見を組み込むことでデータのリアルタイム解析を進める
推進母体/体制住友ゴム工業、トヨタ自動車
活用しているデータ研究施設におけるゴム材料関連の実験データなど
採用している製品/サービス/技術クラウド解析プラットフォームサービス「WAVEBASE」(トヨタ自動車製)
稼働時期2020年6月(実証実験の開始日)