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三井不動産、商業施設での入店率を高めるためのデジタルサイネージなどの効果を検証

ANDG CO., LTD.
2022年12月8日

三井不動産は、ショッピングセンターでの店舗への入店率を高めるのを目的に、店舗のディスプレイやマネキン、デジタルサイネージといったVMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)の実証実験を実施した。反応を計測し効果のあるVMDのパターンを検証する。2022年10月14日に発表した。

 三井不動産が実施したのは、店頭ディスプレイやマネキン、デジタルサイネージなどVMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)の効果測定(図1)。複数のコンテンツパターンを用意し、それぞれに顧客がどのように反応するかを計測することで、どのようなVMDが店舗への入店率を高められるかを検証した。

図1:ショッピングセンターにおける入店率を高めるためのVMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)の効果測定の概要

 検証は、千葉県船橋市の「三井ショッピングパークららぽーとTOKYO-BAY」に出店するアパレル店「nano・universeららぽーとTOKYO-BAY店」で、2022年10月15日から同11月28日の予定で実施した。店頭にはAI(人工知能)カメラと赤外線センサーを設置し、その撮影/計測データから、来館者の位置や視線、反応を推定した(図2)。

図2: nano・universeららぽーとTOKYO-BAY店の店頭(左)とAIカメラの設置の様子

 VMDとしては、マネキンに着せるコーディネートやデジタルサイネージで放映する映像に対し複数のコンテンツを用意し、赤外線センサーで取得した来館者の位置情報からコンテンツごとの滞在時間や入店者数を比較した。

 来館者の反応が良かったVMDを基に、来館者の良好な反応が得られる要素やポイントを整理し、店舗の魅力がより伝わりやすく入店しやすい店舗の設計に活かす。入口や通路に面する外観・レイアウトは、来館者に興味を持ってもらうための重要な要素の1つだという。

 なお、AIカメラで撮影した来館者の映像は、年代や性別などの推定と、視線や反応の把握のためのみに利用し、解析後は自動的に破棄する。データ形式もコンピューターだけが読み取れる形式とし、三井不動産らは集計済みの数値データしか確認できないという。

 実証には、アパレル企業のTSIホールディングスのほか、NTTデータ、日立製作所、AIカメラを提供するAWL、制作会社のブリッジクルーが協力した。

 今後は、今回の実証で得られた知見を踏まえ、三井不動産が運営する全国の商業施設で、新しい店頭を実現するための取り組みを、出店店舗と協力しながら進めていく計画である。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名三井不動産
業種流通・小売り
地域千葉県船橋市(三井ショッピングパーク ららぽーとTOKYO-BAY)
課題来館者の出店店舗(テナント)への入店率を高めたい
解決の仕組みVMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)の効果を測定し、入店率を高められる店舗の外観や店頭レイアウトに活用する
推進母体/体制三井不動産、TSIホールディングス、NTTデータ、日立製作所、AWL、ブリッジクルー
活用しているデータAIカメラで撮影した来館者の映像と赤外線センサーによる位置情報など
採用している製品/サービス/技術AIカメラサービス(AWL製)
稼働時期2022年10月15日〜11月28日