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豊田市、高齢者の事故抑制に向けたドラレコ映像からの運転評価を実証実験

DIGITAL X 編集部
2022年12月8日

愛知県豊田市は、高齢者の自動車事故の抑制を目的に、ドライブレコーダーの映像を分析し安全運転のアドバイスを提供する実証実験を実施する。実証を企画・運営するトヨタ・モビリティ基金(TMF)が2022年9月6日に発表した。

 豊田市が実施するのは、高齢者による運転事故の抑制を図るために、ドライブレコーダーの映像からドライバーの潜在的なリスクを分析・可視化する実証実験。本人へ運転評価をフィードバックすることで行動変容を促進し、リスクに結びつく運転特性の改善に働きかけるのが目的だ(図1)。市内の交通死亡事故ゼロを目指す官民連携事業「ジコゼロ大作戦」の一環として実施する。

図1:豊田市が実施するドライブレコーダーの映像解析による行動変容の実証実験の全体像

 実証期間は2022年10月から2024年4月とし、豊田市在住の60歳以上の住民、約3000人の参加を見込む。参加者は、実証期間内で4カ月間、ドライブレコーダーをつけて運転し、映像を常時記録する。映像はAI(人工知能)技術を使って解析し、日常の運転に含まれるリスクシーンを分析する。ドライバーの癖などから運転特性も診断する。

 分析した運転診断結果とアドバイスを参加者に毎月提供する。内容は、(1)総合評価の点数や前月の成績および同世代との比較、(2)参加者自身の危険運転の映像、(3)交通ルール違反の回数、(4)統計的に事故が多い自宅周辺の危険運転の状態の確認などだ(図2)。

図2:実験の参加者に提供する運転評価とアドバイスの例

 実験の企画・運営は、トヨタ自動車が公益活動のために設立したトヨタ・モビリティ基金(TMF)が担当する。ドライブレコーダーと分析支援は、東京海上日動火災保険が担当し、診断には、デンソーが開発するAI運転診断システムを使用する。

 実証で得られるデータに、東京大学大学院新領域創成科学研究科の知見を得て、加齢に伴う心身特性の特徴や変化を捉えたドライバーの運転行動の改善につなげる仕組みを構築する。TMFは、実験で得られた知見を公開することで、AI・データ分析技術が高齢者の移動課題に適用されることを促すとしている。

 TMFによれば、75歳以上の事故が増加しているなか、免許取得者の高齢化が進むことから、高齢者が事故を起こさず安全に運転するための支援や仕組みづくりが重要な社会課題になっている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名愛知県豊田市
業種公共
地域愛知県豊田市
課題市内の交通死亡事故ゼロを目指す官民連携事業「ジコゼロ大作戦」を実施するなかで、高齢者による事故件数が増加している
解決の仕組みドライブレコーダーの映像分析からドライバーに月次レポートを提供し、事故リスクに結びつく運転特性の改善や事故の抑制に働きかけ、安全運転の支援や、その仕組みを作る
推進母体/体制愛知県豊田市、トヨタ・モビリティ基金(TMF)、東京海上日動火災保険、デンソー、東京大学大学院新領域創成科学研究科
活用しているデータドライブレコーダーに記録した映像
採用している製品/サービス/技術AI運転診断システム(デンソー製)
稼働時期2022年10月~2024年4月(実証実験の期間)