• UseCase
  • 製造

三菱地所、オンライン健康相談の促進に健康状態をウェアラブル端末から通知する実証実験

DIGITAL X 編集部
2022年12月12日

三菱地所が、自社で展開するマンションの居住者の健康促進を目的に、ウェアラブルデバイスを使ってバイタルデータを取得・分析する実証実験に取り組んでいる。異常を検知した際には居住者に通知し、遠隔医療システムを使っての医師による健康相談などを進める。コロナ禍での受診控えに伴う健康上のリスクの低減策として期待する。2022年9月12日に発表した。

 三菱地所が取り組んでいるのは、グループで開発・管理する分譲マンション「ザ・パークハウス」の居住者を対象に、健康管理のためのデジタル技術を使った仕組みの実証実験。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大による受診控えが健康上のリスクを高めていることから、在宅でも日々の健康状態を把握でき、遠隔医療システムを使った医師との健康相談や健康診断を提供するのが目的だ(図1)。

図1:オンライン健康相談プログラムの概要と各社の役割

 具体的には、居住者にウェアラブル端末を貸与し、心拍や総消費カロリーなどのバイタルデータを常時計測する。平常時と異なる状態が続いた際には、居住者に通知する。居住者が希望すれば、電子カルテシステムを使って健康相談を予約し、実際の相談は、居住者と医師を遠隔医療システムでつなぎ、自宅から医師によるオンライン健康相談を受けられるようにする。医師は、デバイスで取得したバイタルデータなども参考に健康状態の確認や健康についてアドバイスする。

 ウェアラブル端末には、ヘルスケアサービスを手掛けるメディロムの活動量計「MOTHER Bracelet」を使い、バイタルデータの解析はオンライン医療システムベンダーの米TaqTik Healthが担当する。

 医師とのオンライン健康相談の申し込みには、ヘルスケアITサービス事業者であるPHCのクラウド電子カルテ「きりんカルテ」を利用し、対面時は遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」(PHC製)を使う。相談・健診は医師向けマッチングサービス「Confie」(Confie製)に登録する医師が担当する。

 実験は、三菱地所グループが管理する東京都内のザ・パークハウスに居住する計18世帯を対象に、2022年9月12日~2022年12月12日まで実施する。居住者の在宅での健康相談に対するニーズそのものも確認する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名三菱地所
業種サービス
地域東京都千代田区(本社)
課題新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大によって受診控えが広がり、自社分譲マンション居住者の健康上のリスクが高まっている
解決の仕組みウェアラブルデバイスを使って健康状態を把握し、必要があれば遠隔医療システムを使って自宅から医師に健康相談ができるようにする
推進母体/体制三菱地所、メディロム、米TaqTik Health、PHC、Confie
活用しているデータ歩数・睡眠量・消費カロリー・心拍数・体表温などのバイタルデータ
採用している製品/サービス/技術活動量計「MOTHER Bracelet」(メディロム製)、クラウド型電子カルテサービス「きりんカルテ」(PHC製)、遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」(同)
稼働時期2022年9月12日~2022年12月12日(実証実験の実施期間)