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福島県浪江町、水素エネルギーの活用に向け電力の需給調整を実証実験

DIGITAL X 編集部
2023年1月27日

福島県浪江町は、水素エネルギーを活用しCO2を削減するために電力の需給調整の実証事業に取り組んでいる。水素エネルギーを一般家庭および工場などに届けるためのサプライチェーンを構築し、そこでの需要予測などを実施する。実証事業の設計・構築に当たる日立製作所が2022年9月22日に発表した。

 福島県浪江町が取り組むのは、水素の搬送から消費までのサプライチェーンの構築と、そこでの需要予測に基づいた水素発電・配電の実証事業。水素エネルギー利用によるCO2排出量削減を目的に、2023年3月までに設計から構築、試運転までを進め、2023年度から実証運転を開始する。

図1:福島県浪江町が実施する水素エネルギー供給に向けた実証実験の概念

 本事業では、(1)一般家庭などの民生向けと(2)工場などの産業向けの取り組みを実証する。民生向けでは、水素を軽量な小型シリンダー(JFEコンテイナー製)を用いて搬送し、一般家庭などに設置した純水素型燃料電池(パナソニック製)を用いて実際にエネルギーを利用する。

 産業向けでは、遠隔地で発電した水素由来のエネルギーを既存の送電線から工場などに配電する。過去の消費電力量を元に需要を予測し発電量を調整する。配電した電力が水素由来であることをブロックチェーン技術を用いて証明する。

 実証事業は、経済産業省の令和4(2022)年度・第2回「エネルギー構造高度化・転換理解促進事業」の補助金公募事業によるもので、全体のプロジェクト管理は日立製作所が請け負う。日立は需要予測のためのシミュレーション技術やブロックチェーン技術を提供する。

 浪江町は、水素エネルギーの利用を進めることで、工場誘致などによる産業活性化や町民への理解促進を図り、地域全体の活性化につなげたい考えだ。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名福島県浪江町
業種公共
地域福島県浪江町
課題水素エネルギーの活用を進め、工場誘致などによる地域全体の活性化につなげたい
解決の仕組み水素エネルギーを供給するサプライチェーンを構築し、需要予測に基づく発電量の最適化を可能にする
推進母体/体制福島県浪江町、日立製作所、JFEコンテイナー、パナソニック
活用しているデータ消費電力量の過去データなど
採用している製品/サービス/技術水素小型シリンダー(JFEコンテイナー製)、純水素型燃料電池(パナソニック製)、シミュレーション技術・ブロックチェーン技術(日立製作所製)
稼働時期2023年度(本格的な実証運転の開始時期)