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伊藤忠メタルズ、家具のリサイクルに向け廃品のトレーサビリティを実証実験

DIGITAL X 編集部
2023年7月5日

伊藤忠メタルズは、家具の廃棄物の回収から最終処理までのトレーサビリティの確立に取り組んでいる。その一環として、ベッド用マットレスを対象にした実証実験を伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)と共同で開始した。マットレスの破棄に関する情報を集約し、運搬経路の最適化や関係事業者の情報連携を図る。2023年6月28日に発表した。

 伊藤忠メタルズが伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)と共同で実施しているのは、ベッド用マットレスの回収から解体、資源リサイクルまでの工程を追跡・可視化する仕組みの実証実験(図1)。収集・運搬状況や回収した鉄資材の処理状況をリアルタイムで可視化し、廃棄物が適正に処理されているかを追跡できるようにする。2023年6月から8月まで実施する。

図1:伊藤忠メタルズがCTCと共同で実施している廃棄物処理の実証実験の概要

 今回の実証は、家具全般を対象にした廃棄物の回収から最終処理までのトレーサビリティの確立を目指したもの。伊藤忠メタルズは、家具インテリア リサイクル&リニューアル協議会(R&R協議会)に参画している。

 実験では主に、(1)収集・分別・処理に関するデータの収集と運搬ルートの最適化、(2)関係業者による登録代行を検証する。

 データ収集では、廃棄物の処理工程を管理するプラットフォーム「StateEco」(CTC製)を使用し、廃マットレスの大きさや、枚数、重量といった情報を集約する。それを元に、トラック1台当たりの積載量が最大となるようなルートをAI(人工知能)技術を使って算出し、時間と費用の効率化を図る。

 登録代行では、電子マニフェストの登録サービス「Smart.i∞(スマートアイ)」(伊藤忠メタルズ製)を利用し、収集運搬事業者と処分事業者が代行入力した登録内容を管理・検証することで、排出事業者が入力する作業の効率化と情報の正確性を高める。

 R&R協議会は今回の実証実験を通じて、製造・加工・販売事業者が廃棄物処理を実施する環境省の広域認定制度における認定取得を目指す。認定を受ければ、製造事業者が廃棄物を回収し原料にリサイクルできるため、リサイクル率の向上と、不法投棄のリスク低減につながると期待する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名伊藤忠メタルズ
業種サービス
地域東京都港区(本社)
課題家具のリサイクル率の向上と、不法投棄のリスクを低減したい
解決の仕組み廃棄物の回収から最終処理までを追跡できる仕組みを確立する。まずはベッド用マットレスを対象に実証実験を実施し、回収状況のリアルタイムな把握や、配送量に応じて運搬経路の最適化を図り回収時の燃料使用量や温室効果ガスの排出量を削減する
推進母体/体制伊藤忠メタルズ、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)、家具インテリア リサイクル&リニューアル協議会(R&R協議会)
活用しているデータ廃棄ベッドマットレスのサイズ・枚数・重量などの情報、収集運搬事業者と処分事業者が入力した登録内容
採用している製品/サービス/技術廃棄物処理の可視化プラットフォーム「StateEco」(CTC製)、電子マニフェスト登録サービス「Smart.i∞(スマートアイ)」(伊藤忠メタルズ製)
稼働時期2023年6月~8月(実証実験の期間)