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三菱ガス化学、工場の事故防止に向け当日の作業に応じたヒヤリハット例をAIで提示

DIGITAL X 編集部
2023年7月7日

三菱ガス化学は、工場における作業員の事故やトラブルを予防するための情報共有システムを導入した。当日の作業内容に合わせて、過去のヒヤリハットや事故の情報を抽出し提示する。AI(人工知能)技術を開発するシナモンが2023年6月29日に発表した。

 三菱ガス化学が導入したのは、工場での作業で発生しうる事故やトラブルを作業者に事前に通知するための「KYサジェストシステム」(図1)。当日実施する作業に関連した注意情報を過去のヒヤリハットや事故の情報をAI(人工知能)技術で抽出し提示する。重大事故につながるリスクを把握し、労働災害の発生を防ぐのが目的だ。2021年9月に本番運用を開始し、2023年6月時点では国内5工場に展開している。

図1:三菱ガス化学が導入した「KYサジェストシステム」のヒヤリハット情報の共有の仕組み

 KYサジェストシステムでは、ヒヤリハットや事故の情報をデータベースで一元管理する。担当者が、当日実施する業務内容をシステムに入力すると、自然言語処理技術により作業内容を抽出し、それに関連するヒヤリハット/事故情報を抽出する。担当者はシステムが提示した内容を朝会などを通じて現場で共有・議論する。

 ヒヤリハット情報は、社員が工場での安全に対する感度を高めることに貢献してきた。だが、蓄積されてきた過去のヒヤリハット情報の活用は進んでいなかったという。

 KYサジェストシステムは、トラブル情報分析システム「Incident AI」(シナモン製)を三菱ガス化学専用にカスタマイズして開発した。

 シナモンは今後、システムの機能拡張を図る。分析結果から適切な労働災害防止対策までを導き出すリスクアセスメント業務への適用を見込んでいる。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名三菱ガス化学
業種製造
地域東京都千代田区(本社)
課題工場現場での労働災害の発生をなくしたい
解決の仕組み当日実施する作業に関連した過去のヒヤリハット情報や事故情報を抽出し、朝会で共有・議論することで、より具体的な事故防止への意識を現場に持たせる
推進母体/体制三菱ガス化学、シナモン
活用しているデータ過去のヒヤリハットや事故の情報、当日実施する業務内容
採用している製品/サービス/技術トラブル情報分析システム「KYサジェストシステム」(シナモン製「Incident AI」をカスタマイズ)
稼働時期2021年9月(最初の本番稼働工場での運用開始日)

注)三菱ガス化学が導入したトラブル情報分析システムの名称について、開発・提供会社が製品名を変更したことから新名称に変更しました。本文は修正済みです。