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福岡運輸、集配業務の効率化に向け荷物単位で配送状況の可視化
食品物流業の福岡運輸は、集配業務の効率を高めるために、荷物単位で配送状況を管理できるサービスを2023年3月から利用している。これまでは配送状況を電話で確認してきたが、ドライバーが端末から入力する情報を共有することで、業務効率を高める。サービスを提供するパナソニック コネクトが2023年6月23日に発表した。
福岡運輸は、食品の定温輸送を事業にする運輸会社。今回、集配業務の進ちょく状況を可視化・共有するサービスを導入し、食品業界ニーズへの対応と、ドライバーの長時間労働を規制する「2024年問題」などへの対応の両立を図る(図1)。まずは神奈川地区で2023年3月から利用を開始し、10月から全国へ順次拡大させる計画だ。
同サービスでは、ドライバーに専用端末を支給し、配送実績を端末から、ドライバーの位置情報と共にクラウドに逐次送信する(図2)。運行管理者は、ドライバーの位置と荷物単位での配送作業の実績や到着時間をリアルタイムに把握できる。
これにより、時間指定便の完了確認や、顧客からの突発的な集荷依頼に対応するための効率的な配車などが可能になる。加えて、ドライバーは運転に集中でき、バックエンドの事務員も中核業務に専念できると期待する。従来は、ドライバーに電話で確認していた。
配送状況のリアルタイムな可視化は、新サービスと既存の基幹システムの連携で実現している。具体的には、荷物単位での配送ステータスの管理、電子サインによる受領エビデンスの取得、ドライバーと事務所間での集配指示やメッセージのやり取りを可能にした。
導入したサービスは、パナソニック コネクトが提供する「配送見える化ソリューション」。配送現場のプロセスを可視化するサービス「ZETES CHRONOS(ゼテス クロノス製)」に、専用端末として「TOUGHBOOK」を組み合わせている。
食品の集配業務では毎日、さまざまな荷物を積み合わせ最適な配車計画を組んでいる。ルート配送以外に突発的な集荷依頼が発生することが珍しくなく、配車計画を変えるには、ドライバーの所在や業務の進ちょく状況を可視化する必要がある。
福岡運輸は2016年に動態管理システムを導入したり、受注業務のデジタル化などに取り組むなど、ある程度の可視化を実現してきたものの、個々の荷物に関する情報はドライバーに直接電話で確認するなど業務改善の余地があった。
今後は、集配業務の可視化に加え、配送業務における実績データの分析・活用を推進し、物流のボトルネックの解消に取り組む考えだ。
企業/組織名 | 福岡運輸 |
業種 | 物流 |
地域 | 福岡市(本社) |
課題 | 突発的な集荷依頼への対応と、ドライバーの長時間労働を規制する「2024年問題」などへの対応を両立させたい |
解決の仕組み | ドライバーの現在位置や配送状況を専用端末でリアルタイムに把握することで、配送状況を可視化し突発的な集荷要求に合わせた配車計画を作成する |
推進母体/体制 | 福岡運輸、パナソニック コネクト |
活用しているデータ | 荷物の配送実績、ドライバーの位置情報、集配指示などの情報 |
採用している製品/サービス/技術 | 配送状況を可視化する「配送見える化ソリューション」(パナソニック コネクト製) |
稼働時期 | 2023年3月(神奈川地区での稼働時期)、2023年10月から全国に拡大する |