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小田急電鉄、人流をエッジAIカメラで調査する実証を新宿駅で実施

DIGITAL X 編集部
2023年9月7日

小田急電鉄は、駅の商業エリアにおける人流の調査にエッジAI(人工知能)カメラを使う実証実験を新宿駅で開始した。テナントとの賃料交渉やイベント出店の投資対効果を示すのに活用したい考えだ。エッジAIカメラを提供するIntelligence Designが2023年8月7日に発表した。

 小田急電鉄が実施するのは、商業エリアの人流を調査・解析するためにエッジAI(人工知能)カメラを活用するための実証実験。東京・新宿駅のサザンテラス口前通路にエッジAIカメラを設置し、2023年5月27日から1年間実施する(図1)。データを365日24時間取得することで、人による調査よりも精度の高い人流解析を目指す。

図1:東京・新宿駅のサザンテラス口前通路にエッジAIカメラを設置する。赤丸がエッジAIカメラ

 エッジAIカメラで取得したデータの解析結果は、テナントとの賃料交渉に利用したり、イベント出店における投資対効果を提示したりに活用したい考えだ。小田急電鉄は、「人の経験や感覚に頼った定性的な情報を、データとして定量的に可視化できることが大きい」とする。

 実験では、エッジAIカメラで撮影した画像から歩行者のシルエットを抽出し、歩行者の通行量や性別/年齢といった属性などを計測する。個人情報を保存・蓄積しないようにするため、画像データはエッジAIカメラ側で数値データに変換しクラウドへ送信する(図2)。エッジAIカメラの仕組みには、「IDEA(イデア)」(Intelligence Design製)を採用する。

図2:個人情報を保存・蓄積しないために画像データはエッジAIカメラ側で数値データに変換する

 小田急電鉄はこれまでも人流調査を実施してきた。だが人手による調査で、実施期間も年間で平日に1日、休日に1日のみで季節波動などのデータを取得できていなかった。人手による調査は費用がかかるとともに、24時間データを正確に取得することにも限界があった。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名小田急電鉄
業種交通、流通・小売り
地域東京都新宿区(本社)
課題テナントとの賃料交渉や、イベント出店における投資対効果を提示するための定量的な情報がほしいが、人手による人流調査では24時間365日のデータは取得できない
解決の仕組み人流調査にエッジAIカメラを使い、24時間365日撮影した画像から通行量や性別/年齢などを解析・把握する
推進母体/体制小田急電鉄、Intelligence Design
活用しているデータAIカメラが撮影した画像
採用している製品/サービス/技術エッジAIカメラ「IDEA」(Intelligence Design製)
稼働時期2023年5月27日から1年間(実証実験の実施時期)