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キリンビール、製造計画における数量算出を自動化するアプリケーションを開発

DIGITAL X 編集部
2023年10月24日

キリンビールは、製造計画において1~2週間先の製造数量を算出するアプリケーションを開発し、2023年7月から運用を始めている。従業員が手動で作成していた製造数量の算出と製造計画システムへの反映を自動化することで計画作成業務全体の自動化を目指す。2023年7月4日に発表した。

 キリンビールが開発したのは、直近1~2週間先の製造数量を自動算出するためのアプリケーション(図1)。製造計画を自動で作成し、それを製造計画システムに自動で反映させる。2023年7月に運用を開始した。製造計画の作成に要する時間の70%を削減し、年間1000時間以上の時間創出を見込む。

図1:キリンビールが開発した製造計画作成アプリケーションの概要

 製造計画作成アプリは、工場での製造要件や倉庫の保管能力といった制約条件を入力データに計画を作成する。作成した製造計画の内容を人間が効率的にチェックするためのアラート機能も持つ。

 従来システムでは、直近の出荷実績と今後の需要予測、在庫数量などのデータを元に、担当者が表計算ソフトなどを用いて製造数量を算出していた。そのための制約条件の入力は、担当者の経験によるところが大きく属人化が進んでいた。数量算出後も現場では、出荷動向を踏まえながら日ごとに製造数の調整と確定作業が発生していた。

 今後は、新アプリが作成した数量を数カ月先までの計画にも適用するなど、日ごとの調整など製造計画作成の全工程に活用範囲を広げたい考えだ。

 アプリは、AI(人工知能)技術やデータ分析のサービスを提供するブレインパッドとの協業で開発した。両者は、サプライチェーン業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を対象にした「MJ(未来の需給をつくる)プロジェクト」を2022年10月に始動している。

 アプリ開発はMJプロジェクトの一環。協業の第1弾として資材需給管理アプリを2022年12月から運用している。今回の製造計画作成アプリは第2弾になる。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名キリンビール
業種製造
地域東京都中野区(本社)
課題サプライチェーンにおける製造計画業務において属人化している製造数量の算出や入力内容のチェックを省人化したい
解決の仕組み工場での製造要件や倉庫の保管能力などの制約条件から製造数量を自動で算出するアプリケーションを開発し、製造計画システムへ自動で反映させる
推進母体/体制キリンビール、ブレインパッド
活用しているデータ直近の出荷実績、今後の予測、在庫数量など
採用している製品/サービス/技術製造計画作成アプリケーション(キリンビールとブレインパッドが協業し開発)
稼働時期2023年7月