• UseCase
  • サービス

レジル、カスタマーセンターの顧客対応への生成AIを利用を実証

DIGITAL X 編集部
2023年10月24日

マンション向け電力小売りなどを手掛けるレジル(旧中央電力)が、カスタマーセンターにおける顧客対応業務への生成AI(人工知能)技術を利用する実証実験を始めている。顧客とオペレーターの対話の要約やFAQ(よくある質問と答)を作成し、業務改善と対応品質の向上を図りたい考え。2023年7月13日に発表した。

 マンション向け電力小売りなどを手掛けるレジル(旧中央電力)が取り組むのは、カスタマーセンター業務へ生成AI(人工知能)技術を利用するための実証実験(図1)。オペレーターが顧客対応した際の対話内容や応対履歴といったデータを分析し、対話の要約やFAQ(よくある質問と答)を作成することで、業務効率を高めながら顧客体験(CX:Customer Experience)の向上を図るのが目的だ。

図1:レジル(旧:中央電力)が取り組む生成AI技術活用の実証実験の概要

 実験は3段階で進める。第1段階では、テキスト化した応対内容を要約し、それを登録することで、オペレーターの登録作業の時間短縮と登録内容の標準化を図る。レジルによれば、オペレーターは応対終了後に応対履歴を登録しているが、登録にかかる時間は平均5分程度、かつ登録内容の詳細度合いにばらつきがある。

 第2段階では、応対内容を元に、顧客の感情や過去の応対履歴との類似性を分析する。分析結果から顧客の潜在的ニーズを把握し、顧客満足を高められるアクションにつなげる。

 第3段階では、過去の応対履歴を生成AIに学習させFAQを作成し、オペレーターの回答例に用いる。電話応対中にオペレーターは問い合わせ内容を生成AIシステムに入力すると適切な回答文が提示できるようにする。

 生成AI技術には、米OpenAIが提供する生成AIをAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)で利用する「OpenAI API」を採用する。同APIでは、セキュリティとプライバシー保護の観点から入力されたテキストを学習に利用しないとしている。

 実証結果を元にレジルは、運用業務を受託している電力・ガス関連企業10社のカスタマーサポート業務にも生成AIの活用を広げる計画である。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名レジル(旧中央電力)
業種サービス
地域東京都千代田区(本社)
課題カスタマーセンターにおける業務改善と対応品質を高め、顧客満足の向上を図りたい
解決の仕組み生成AI技術を用いて対話内容の要約やFAQを作成し、カスタマーセンターのオペレーターの業務を支援する
推進母体/体制レジル、米OpenAI
活用しているデータオペレーターと顧客の対話内容や応対履歴など
採用している製品/サービス/技術生成AIのAPI「OpenAI API」(米OpenAI製)
稼働時期――