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佐川グローバルロジ、欠品などへの問い合わせ対応時間を短縮するためにエッジAIカメラと倉庫管理システムを連携

DIGITAL X 編集部
2023年11月14日

佐川グローバルロジスティクス(SGL)は、配送後の消費者からの問い合わせ対応時間を短縮するために、エッジAIカメラと倉庫管理システム(WMS)を連携した仕組みを複数の営業所に導入した。梱包時の映像から欠品などを確認したり原因を確認したりする。連携の仕組みを提供するセーフィーが2023年10月18日に発表した。

 SGホールディングスグループの佐川グローバルロジスティクス(以下、SGL)が複数の営業所に導入したのは、出荷時の梱包作業現場を映すエッジAIカメラの映像と、倉庫管理システム(WMS)の出荷管理画面を連携する仕組み(写真1)。問い合わせ業務に掛かる時間を短縮し、コア業務や有人対応業務に集中できるようにするのが目的だ。

写真1:ハンディーターミナルを使った検品作業をエッジAIカメラで撮影し倉庫管理システム(WMS)と連携させる

 新しい仕組みでは、配送先から問い合わせがあれば、WMSの出荷管理画面で出荷対象を検索すれば検品時の映像が直ぐに表示される(写真2)。その映像から検品に問題がなかったかを確認したり、原因分析や対策を打ったりする。

写真2:WMSの管理画面から調査対象の記録映像を直ぐに取り出し、問題の有無を確認する

 例えばSGLの千葉北営業所では、発送後の問い合わせに対し、欠品があれば在庫数を数えたり、出荷時の様子を記録するために都度、写真を撮影したりと通常業務以外に多くの時間を割いていた。出荷作業に問題がなかったかを確認する作業には平均で1時間が掛かっていたという。

写真3:佐川グローバルロジスティクスの千葉北営業所の倉庫内の様子

 SGLの物流ソリューション部 LS課 課長の加賀谷 司 氏は、「当社は『SGL STANDARD』を掲げ、労働災害や属人化を防ぎ、効率的な運営を実現している。全国各地の営業所にWMSを導入することで、業務の標準化に取り組んでいる。WMSとカメラ映像の連携により生産性向上が認められたためカメラ導入の後押しになった。今後は、品質を担保できるような業務オペレーションの改善や、カメラを活用した災害時の施設確認などにつなげたい」と話す。

 検品時の様子の撮影には、エッジAIカメラ「Safie One」(セーフィー製)を採用した。将来的には、荷主側でも映像データを確認できるようにし、倉庫の生産性や業務品質の担保、倉庫内の透明性向上に生かすことも検討している。

 物流業界では、長時間労働の削減が求められる一方、より高度で複雑な倉庫内作業や流通加工が求められている。そうした中で、商品を届けた後の消費者からの問い合わせが急増しており、問い合わせ対応に要する時間と手間の削減が課題になっている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名佐川グローバルロジスティクス
業種物流
地域東京都品川区(本社)
課題商品を発送した後の欠品などに関する消費者からの問い合わせ対応に多くの時間を要している
解決の仕組み検品作業の映像データと倉庫管理システム(WMS)を連携し、問い合わせがあった該当商品の検品時の様子を映像から確認できるようにする
推進母体/体制佐川グローバルロジスティクス、セーフィー
活用しているデータエッジAIカメラが撮影した検品作業の映像、倉庫管理システムが管理するデータ
採用している製品/サービス/技術エッジAIカメラ「Safie One」(セーフィー製)
稼働時期――