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鹿島建設、歩行者や自転車の位置を光ファイバーで測る「スマートロード」を開発へ

DIGITAL X 編集部
2023年12月26日

鹿島建設は、センシング機能をもつ道路である「スマートロード」を、トヨタ自動車、NIPPO、東京都市大学、米カリフォルニア大学バークレー校と共同で開発する。試験舗装フィールドでは既に、道路上の歩行者や自転車など移動体の位置を追跡できることを確認したという。2023年10月10日に発表した。

 鹿島建設が開発する「スマートロード」は、歩行者や自動車など移動体のセンシング機能を持たせた道路(図1)。安全・安心な通行の確保や、効率的な交通管制など、より安全なモビリティサービスの実現が目的だ。

図1:「スマートロード」による歩行者や自転車の追跡の例

 開発には、モビリティ技術を持つトヨタ自動車、舗装技術を持つNIPPOの研究チーム、構造解析やデータ処理の技術を持つ東京都市大学の関屋准教授および米カリフォルニア大学バークレー校の曽我教授と共同で当たっている。

 実証実験環境として、鹿島建設の技術研究所の敷地内に、幅10メートル×長さ20メートルの試験舗装フィールドに5本の光ファイバーセンサーを異なる深さで埋め込んだ(図2)。同センサーは、歩行者や自転車が移動することで起こる振動をデータとして取得する。

図2:鹿島建設が構築した試験舗装フィールド

 研究開発しているのは、歩行者や自転車の振動データをAI(人工知能)技術を使うなどしてのパターン解析し、複数の異なる移動体を識別したり追跡したりできる技術。深さによって振動データが異なることから、移動体からセンサーへの振動伝播を解析する技術を構築し、最適なセンサーの配置や本数、センシングに適した舗装についても研究している。

 2022年4月から1年をかけた実験では、外気温など環境条件が変化するなかでも、歩行者および自転車の位置や進行方向を追跡できることを確認したという。今後、解析技術の発展などにより、見通しの悪い交差点や悪天候下でも歩行者や車両などを認識できるようになるとしている。

 将来的には、橋梁やトンネルなどの交通インフラに光ファイバーセンサーを設置し、構造物に生じる変形などの状況や利用状況の評価、センシングデータに基づく利用者へのリアルタイムでのサービス提供を目指す。

 交通事故の撲滅など安全な社会の実現に向けて、カメラやLiDAR(光による検知と測距)などの活用が進められている。だが、いずれも雨や霧などの天候による影響や物陰に隠れた移動体への対応、プライバシーの保護などの課題がある。これらの技術に対し光ファイバーセンサーは、わずかな振動をとらえ、その振動の伝播状況を把握できるほか、振動やひずみの発生位置と大きさを30キロメートル以上にわたってとらえられるため、コスト削減効果もあるという。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名鹿島建設
業種製造
地域東京都調布市(試験舗装フィールド)
課題交通事故撲滅などにカメラやLiDARなどの活用が進むが、雨や霧など天候の影響や、物陰に隠れた移動体への対応、プライバシーの保護などの課題がある
解決の仕組み振動やひずみの発生位置と大きさを広範囲にとらえられる光ファイバーセンサーを道路に埋め込み、歩行者や自転車の動きによって起こる振動から位置や進行方向を追跡する
推進母体/体制鹿島建設、トヨタ自動車、NIPPO、東京都市大学、米カリフォルニア大学バークレー校
活用しているデータ歩行者や自転車などの移動体が動くことによって起こる振動データ
採用している製品/サービス/技術光ファイバーセンサー
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