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愛知県岡崎市、交通渋滞緩和へマイクロMaaSの構築と自動運転バスを実証実験

DIGITAL X 編集部
2023年12月26日

愛知県岡崎市が、交通渋滞の緩和を目的に、マイクロMaaS(Mobility as a Service)の構築や自動運転バスの運行を実証実験している。オーバーツリズムにより交通渋滞が激しくなっているという。実証実験に協力するNTTコミュニケーションズとNTTドコモが2023年10月13日に発表した。

 愛知県岡崎市が実証するのは、交通渋滞の緩和に向けた「マイカーに頼らない“まちなか周遊”」の促進策。そのために、(1)公共交通手段へのワンストップアクセスを想定したマイクロMaaS(Mobility as a Service)の構築、(2)自動運転バスの運行、(3)人流分析の3つ施策を検証する(図1)。

図1:愛知県岡崎市が実証する交通渋滞緩和策

 マイクロMaaSは、複数の交通手段を検索・予約できるWebサイトとして構築する。市内中心部の「乙川リバーフロントエリア」を訪れる人を商業施設などに誘引し回遊をうながすために、店舗や来訪スポットのクーポンを配信する。

 自動運転バスは、市営駐車場がある岡崎市役所と「図書館交流プラザりぶら」の間で走らせる。途中の「籠田公園」に臨時停留所を設置し、マイカー利用者が乗り換える「パーク&ライド」の利用を促する。

 人流分析では、NTTドコモの「モバイル空間統計データ」を使い岡崎市への来訪者の属性を分析し、属性情報に基づいて岡崎市の取り組みを周知するための情報を配信する。市営駐車場ではAI(人工知能)カメラを使い、駐車車両のナンバープレートから来訪者の居住地を推定する。

 今回の実験は、国土交通省の「令和5年度共創モデル実証プロジェクト(共創による地域交通形成支援事業)」に採択されたもの。NTTコミュニケーションズとNTTドコモが協力する。マイクロMaaSは2023年10月14日から2024年1月8日にかけて実施する。自動運転バスは、2023年10月27日から同11月5日にかけて実施した。

 岡崎市にでは、大河ドラマ館の開館に伴い来訪者が増加し、従来から課題だった交通渋滞が激化しているという。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名愛知県岡崎市
業種公共
地域岡崎市中心部(乙川リバーフロントエリア)
課題かねてから交通渋滞が課題だったが、大河ドラマ館の開館に伴って来訪者が増加し、激化している
解決の仕組み公共交通手段の利用を容易にするマイクロMaaSや自動運転バスを運行し、公共交通による回遊をうながす。施策内容や人流の分析結果を基に周知する
推進母体/体制愛知県岡崎市、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモ
活用しているデータマイクロMaaSの予約・利用データ、人流を示す「モバイル空間統計データ」やAIカメラによる市営駐車場の利用車両のナンバー情報など
採用している製品/サービス/技術「モバイル空間統計データ」(NTTドコモ製)
稼働時期マイクロMaaS:2023年10月14日〜2024年1月8日、自動運転バス:2023年10月27日〜同11月5日(いずれも実証実験の期間)