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デンソー、複数台のロボットが連携し同時に作業するためのAIアルゴリズムを開発

有澤 愛文(DIGITAL X 編集部)
2023年12月29日

デンソーは、複数台のロボットが連携し同時に作業するためのアルゴリズムを開発した。生成AI(人工知能)技術を利用した。実用化できれば、「ティーチング」と呼ばれる人による動作設計のための時間を削減できるとしている。2023年11月22日に発表した。

 デンソーが開発したのは、複数台のロボットが同時に作業するための動作経路を自動生成するためのAI(人工知能)アルゴリズム(図1)。専門技術者がロボットを操作しながら動作を作り込む「ティーチング」と呼ぶ作業なしに、ロボットを動作させられ、人による動作設計時間を削減できるといしている。生産設備へのロボット導入時間を短縮でき、製造現場での人手不足解消につながるという。

図1:複数台のロボットによる同時作業の様子

 専門技術者がロボットの動作を作り込むティーチングにおいては、複数台のロボットが互いが衝突せず、動作時間が短い最適な経路を設定するのは難しい。アルゴリズムによる自動生成についても、複数台のロボットそれぞれの経路パターンは膨大で、実用的な計算時間内での算出は難しいとされる。

 デンソーは今回、AI技術を使い、熟練のティーチング技術者が持つ知見から有望な経路パターンを絞り込めるようにした。試験では、3台のロボットが作業対象を整列させる業務を選んだ。同アルゴリズムを使ったロボットは作業時間を20%以上削減できることを確認したという。

 今後は、産業用機器を開発・製造するデンソーウェーブのロボットを対象に、今回開発したAIアルゴリズムの実用化を進める。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名デンソー
業種製造
地域愛知県刈谷市(本社)
課題ロボットを動作させるには「ティーチング」と呼ぶ調整が必要だが、複数台のロボットが互いが衝突せず最短経路で動くための調整は難しい。アルゴリズムによる動作経路の自動生成も、経路パターンが膨大なために算出が難しい
解決の仕組み複数台のロボットの動作経路を自動生成するAI(人工知能)アルゴリズムを開発する
推進母体/体制デンソー
活用しているデータティーチングのためのデータなど
採用している製品/サービス/技術AI(人工知能)技術
稼働時期−−