• UseCase
  • 製造

業務用冷蔵庫の稼働・温度データを遠隔管理するIoTサービス、ホシザキが開始

DIGITAL X 編集部
2024年1月9日

フードサービス機器メーカーのホシザキは、保守サービスの新ビジネスとして、業務用冷蔵庫などの稼働・温度データを遠隔管理するIoT(モノのインターネット)サービスを開始する。が2024年1月5日から販売会社を通じて提供する。機器に取り付けるWi-Fiモジュールを無償提供し導入をうながす。2023年12月20日に発表した。

 フードサービス機器メーカーのホシザキが提供する「ホシザキ コネクトWi-Fi」は、企業や病院などが利用する業務用冷蔵庫などの稼働・温度データを遠隔から管理するためのIoT(モノのインターネット)のクラウドサービス(図1)。複数台の機器の稼働状況をリアルタイムに確認・管理・記録できる。保守サービスを拡充する新ビジネスの位置付けだ。

図1:「ホシザキ コネクトWi-F」のサービス概念

 稼働・温度データは、機器ごとに機器ごとにWi-Fiモジュールを取り付けて収集し、クラウドに送信する。対象機器は、販売済み製品を含む同社の業務用冷蔵庫などの主要製品。対象は順次追加する計画だ。他社製品も別機器を取り付ければ温度管理ができるという。

 稼働データはホシザキも共有し、顧客が要望すれば、故障発生時に早期対応したり、パッキンの劣化などの故障の改善を提案したりする。顧客からの訪問要請時にも、状態を事前把握することで一度の訪問で修理を完了できるようになるとしている。

 サービス開始に先立ち2022年9月からは、顧客企業の現場で稼働中の業務用冷蔵庫やスチームコンベクションオーブンなど約1700台を対象にした実証実験を実施してきた。閉店後の冷蔵庫の高温異常通知による食品ロス・食中毒の危険回避や、各種帳票の自動作成による業務負担軽減などが確認できたという。ソフトウェアも改善し、故障の未処置による不十分な温度制御や過剰な電気代の抑制などにつなげられるようにしたとしている。

 作成できる帳票は、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)に沿った衛生管理実施状況の記録および保存義務に対応するための温度帳票とフロン管理点検帳票など(図2)。表計算ソフトの形式で提供する。将来的には、蓄積したデータの解析へのAI(人工知能)技術の適用を視野に入れる。

図2:「ホシザキ コネクトWi-F」の帳票作成画面のイメージ

 サービスの利用に当たっては、利用者数や閲覧・管理権限、アラート通知の条件、機器が発するエラーの通知先などを設定できる。組織全体での機器の運用効率を高められるようにした。

 ホシザキはこれまでも、HACCPに対応するための温度管理サービス「ホシザキスマートバンド」「ホシザキスマートバンド クラウド」を提供してきた。ただ同社によれば、いずれも初期費用がかかる、専用ルーターと有線の配線が必要、などが導入企業の課題になっていた。

 ホシザキ コネクトWi-Fでは、Wi-Fiモジュールは無償提供することで、利用企業の初期負担を軽減した。スーパーやコンビニ、外食チェーンなど複数の店舗・施設を管理する企業や病院および給食・ホテルなど大量調理を行う施設・物流拠点への導入を目指す。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名ホシザキ
業種製造
地域愛知県豊明市(本社)
課題保守サービスを拡充したい。だが、これまでのサービスは、初期費用の発生や専用ルーターと有線の配線が必要などが導入企業の課題になっていた
解決の仕組み機器に取り付けるWi-Fiモジュールを無償提供し、初期費用と配線工事の課題を解消する
推進母体/体制ホシザキ
活用しているデータ業務用冷蔵庫などの機器の稼働・温度データ
採用している製品/サービス/技術Wi-Fi
稼働時期2024年1月5日(サービスの提供開始日)